オカルト的な現象に、科学のメスを入れようという試み。

ひとつめは、寅彦の郷里土佐に伝わる、
「孕(はらみ)のジャン」という現象。

過去に何度も起きた南海地方の大地震との関係に着目するあたりは、
さすが。

ふたつめは、濃尾地方に伝わる「ギバ」という現象。

馬の顔面に、何らかの光学現象が生じて、それが馬を死に至らしめるのだという。

こちらは、空中放電現象の類ではないか、と寅彦は推測している。