先日、オーストラリアの天文学者によって発見が発表された、
今から136億年前に誕生したとされる、「宇宙最古の星」。

このニュースから考えられる、いくつかの興味深い点をまとめてみた。

・とにかく「古い」ということ
最近の学説では、宇宙の年齢は138億歳ほどだと言われている。
さまざまな観測結果等により、この数値の精度はかなり高まってきているので、
今回発見された恒星の136億歳というのは、その古さにおいて、単純に驚きである。

星が放出する光のスペクトルを分析すれば、その星を構成する元素の割合が分かる。
星というのは、ある意味巨大な原子炉なので、現状残っている元素の割合が分かれば、
その星がどれぐらい燃え続けていたかが判明するわけだ。

・かなり近くに存在していたこと
これまで、古い星を探すには、「遠くで探す」というのがいわば常識であった。
例えば、地球から130億光年先を望遠鏡で観測すれば、それは100億年ぐらい前の宇宙の姿を見ているわけで、
そこに星が見つかれば、それは少なくとも100億歳以上、ということになる。

ただこの方法の場合、それだけ遠くを観測するというのが技術的に困難ということもあり、
それほど古い星が大量に見つかっていたわけではない(これまで観測された最古の星は132億歳)。

今回の発見は、偶然見つかったというラッキーな面もあるが、
それが地球から6,000光年という「至近距離」で見つかったいうのは、今後の観測・分析にかなり有利になると思われる。

・恒星誕生のメカニズム
宇宙誕生当初は、水素やヘリウムなどの軽い元素しか存在せず、
それらから鉄などの元素が生み出され、星になったとされている。

今回のケースのように、ごく短期間でどのように星が形成されたのか、
スペクトルを分析することで得られる結果は大きいと思われるので、続報を待ちたい。