日本は世界でも有数の「雨降り国」なため、
古来より、日本語には雨関連のことばが非常に多い。
本書は、多様な雨に関することばを集めて、
ひとつひとつ解説を加えたものである。
たとえば、「かう」という語だけでも、
下記のようなものがあるというのは、驚きだ。
「下雨」「佳雨」「嘉雨」「夏雨」「寡雨」「華雨」「過雨」
雨の性質について科学的に説明している箇所もあれば、
古典の用例を挙げて、文学的な効果を語る箇所もあり、
あらゆる角度から雨について語り尽くした一冊だ。
そして表紙デザインに、
雨を表現した世界的な名作である広重を持ってくるというのも、
何とも粋な計らいである。