さすがにSF好きの自分としては、もう何度も何度も観ているんだけれども、
ちょっと懐かしくなって、また鑑賞。
よく言われているように、
この作品は、「宇宙戦争」のパクリとはいかないまでも、オマージュで、
宇宙戦争の異星人が、地球上のウィルスによって撃退されたのに対し、
こちらのエイリアンは、母船のホストシステムにコンピュータウィルスを仕込むことでやっつける。
原作は実際のウィルス(もしくは、微生物)であったのを、
「コンピュータウィルス」に差し替えたのは、なかなか上手いと思っていたのだけれど、
ジェフ・ゴールドブラム演じる主人公(?)が、
父親に、「そんなとこで寝ると風邪を引いちまうぞ」と言われて、
ウィルスを仕込むことを思いついたというあの流れは、かなり強引かな。
かといって、「そういえば、『宇宙戦争』ではウィルスで撃退したんだった!」
なんて台詞を言わせるわけには、さすがにいかなかったのだろうけど。
ここで「宇宙戦争」の話に逸れると、
H・Gウェルズが「宇宙戦争」を世に出したのは、19世紀末。
この時期は、ちょうど細菌学が盛り上がりをみせてきた時期でもあり、
ウェルズは、いわば「最新の科学ネタ」を作品に盛り込んだことになる。
※ただしこの頃発見されていたのは、「細菌」であって「ウィルス」ではない。
最近のエボラ出血熱のニュースをみてもわかるように、
人類にとっての最強の敵はウィルスであり、
テロリストとは違い、ウィルスには交渉も説得も通じない。
そしてその恐ろしさは、
例えばスペイン風邪による死者数が、
第二次大戦の死者数と同等かそれ以上と言われていることからも、分かる。
ウィルスがさらに驚異的なのは、その変異能力。
ウィルスに有効なワクチンが作られたとしても、
それに対抗して進化する可能性があるのだ。
地球に攻めてくるぐらいの文明力をもった宇宙人であれば、
あらゆるウィルスに有効なワクチンぐらい持ってるでしょ、
と思うかもしれないが、地球というローカルな環境で進化したウィルスであれば、
宇宙人のワクチンが効かないという可能性は十分にあり得るわけで、
その意味でも、ウェルズの採用した「オチ」は理に適っている。
※コンピュータウィルスについても、同様のことは言える。
さて、僕が言いたかったのは、実はここからで、
「エイリアンを撃退するのに、ウィルスが有効であるならば、
その逆も、また然りなのでは??」
ということです。
つまり、エイリアンが地球を侵略するのに、
火力にモノを言わせる必要はなく、
ウィルスやコンピュータウィルスを地球にばら撒けば、
ラクに制圧できるだろう、ということ。
考えてもみよう。
何億光年もの彼方からエイリアンがやってくるとして、
巨大な宇宙船での進軍は、この宇宙の物理法則に従うかぎりは、あり得ない。
彼らが用いるとすれば、無人の「ナノ宇宙船」であるはずだ。
※「ナノ宇宙船」は、平たく言えば、目に見えないぐらいの大きさの超小型宇宙船。
そんな「ナノ宇宙船」に、核兵器やらレーザー兵器やらを搭載できるはずがないが、
ウィルスであれば、仕込むことは可能だろう。
「ナノ宇宙船」を遠隔で操作して、ウィルス攻撃を仕掛けてくるエイリアン、
これが僕の考える、地球外侵略者の、ありうる姿である。
(かといって、地球外知的生命体の存在を信じているわけではないので、あしからず。)
そう考えると、「インデペンデンス・デイ」って、
「ウィルス最強説」をとっているわりには、
圧倒的火力をもつ巨大な宇宙船を登場させているのが、
何とも矛盾しているんじゃないかと思うんですよね。
と、ここまで書いてきてふと思ったのですが、
「ナノ宇宙船」を遠隔で操作して、ウィルス攻撃を仕掛けてくるエイリアン
であれば、実はすでに地球にやってきている可能性はないのだろうか。
実際、ウィルスの流行や生物の多様性を説明するために、
生命の種は宇宙からやってくると主張する「汎スペルミア説」というのがある。
去年、彗星に着陸を試みた、「ロゼッタ―フィラエ」のプロジェクトは、
この「汎スペルミア説」を裏付ける証拠を得るのでは、とも言われていたのだが、
彗星着陸機「フィラエ」にアクシデントが生じて、
スリープから再起動できないかもしれない可能性もあるらしい。
それを、自分たちのしたことに気付かれたくない宇宙人の仕業だとか、
そもそも彗星自体が、宇宙人の探査機なのでは、
などと思っているオカルト信者もいるのかもしれないが、
その真偽のほどは、僕には分からない。
ということで、そろそろ結論にしよう。
UFOの写真を信じるぐらいならば、
鼻の穴から、宇宙船やエイリアンの撒いた種を吸い込んでいる可能性を心配するべきだ!
あ、忘れてたけど、一応、
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