「ゲイは遺伝か?」
「ニセ薬で病気は治せるか?」
といった、
科学というよりも迷信に近いテーマを8つ挙げて、
先入観なしに、著者曰く「公平な視点で」
その真偽のほどを検証してみようという内容。
正直、あまりどうでもよいテーマも多かったのだけれども、
第6章「地球温暖化は本当に心配すべきなのか」における、
「地球が温暖化するのが仮に事実だとしても、
温暖化によるメリットはないのか?
あるとすれば、それは温暖化によるデメリットに打ち勝つことはあり得ないのか?」
という視点は、なかなか面白い。
僕も最初は温暖化懐疑派だったのだけれども、
どうも地球は温暖化しているようだ。
ただ、100年後に何度上昇しているかは、
現代の科学をもっても正確には予測不可能だし、
仮に3~5度ぐらいの上昇だとすれば、
確かに、デメリットよりもメリットの方が大きい可能性もある。
だから血眼になって、温暖化を防ぐためにコストを使うよりも、
温暖化に順応するための準備にコストを使う方が賢明かもしれない、
などと思ったりもする。
この本は、4月の早朝、仕事で三重に向かう列車の中で
読んだのだけれども、東京を出るときは暖かかったのに、
津の駅に降りてみると、真冬並みの寒さ。
地球の歴史の中では、
今はまさに氷河時代(の間氷期)にあたる。
いつ来てもおかしくない氷期の訪れを、
わずかながらの温暖化が先送りにしてくれている可能性だって、ある。
一時間移動して名古屋に戻ってみたら、やけに暖かく感じたのは、
昼飯に食べたひつまぶしのせいだけではないだろう。