「怪しい科学の見抜きかた」(ロバート・アーリック)
「ゲイは遺伝か?」
「ニセ薬で病気は治せるか?」

といった、
科学というよりも迷信に近いテーマを8つ挙げて、

先入観なしに、著者曰く「公平な視点で」
その真偽のほどを検証してみようという内容。

正直、あまりどうでもよいテーマも多かったのだけれども、

第6章「地球温暖化は本当に心配すべきなのか」における、

「地球が温暖化するのが仮に事実だとしても、
温暖化によるメリットはないのか?
あるとすれば、それは温暖化によるデメリットに打ち勝つことはあり得ないのか?」

という視点は、なかなか面白い。

僕も最初は温暖化懐疑派だったのだけれども、
どうも地球は温暖化しているようだ。

ただ、100年後に何度上昇しているかは、
現代の科学をもっても正確には予測不可能だし、

仮に3~5度ぐらいの上昇だとすれば、
確かに、デメリットよりもメリットの方が大きい可能性もある。

だから血眼になって、温暖化を防ぐためにコストを使うよりも、
温暖化に順応するための準備にコストを使う方が賢明かも
しれない、
などと思ったりもする。

この本は、4月の早朝、仕事で三重に向かう列車の中で
読んだのだけれども、東京を出るときは暖かかったのに、
津の駅に降りてみると、真冬並みの寒さ。

地球の歴史の中では、
今はまさに氷河時代(の間氷期)にあたる。

いつ来てもおかしくない氷期の訪れを、
わずかながらの温暖化が先送りにしてくれている可能性だって、ある。

一時間移動して名古屋に戻ってみたら、やけに暖かく感じたのは、
昼飯に食べたひつまぶしのせいだけではないだろう。

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