デザイナーの出す著作は、なぜか装幀が白い本が
多い。
「デザイン」と「死」の共通項を追求するという内容ではなく、建築家・デザイナー黒川雅之の、「デザイン」「死」「美術」といったことに対する、価値観の吐露である。
ここまで年配の方(失礼)の意見は、それが合っているとか合っていないとか、賛同できるとかできないとかのレベルではなく、聞くだけで価値があると思っている。
そんな僕は古い人間なのかもしれないが。
この方が70年生きてきた生き様というか、その仕事の一つ一つまでが想像できるようで、こういうジャンルの本は、キライじゃない。
でも、この本から「デザインとはなにか」を学ぼうとする人は、きっと肩すかしを喰らうだろう。
普段、仕事の仕方や生き方に対して、誰からも説教されることもなく、「なんとなく」人生を進んでいると、こういう本が恋しくなってしまうのかもしれない。