「俵屋宗達 琳派の祖の真実」(古田 亮)

「俵屋宗達 琳派の祖の真実」(古田 亮)

「俵屋宗達 琳派の祖の真実」(古田 亮)

いわゆる「琳派」という括り方がキライな自分にとって、
宗達を「琳派の祖」と位置付けることは、
常々納得できない、と思っていた。

それはテーマとか技法といったレベルの問題ではなく、
「作品として向いているベクトルが違う」という感覚レベルの問題で、
だからこそ一方で、それを明確に言葉にできないでいることがもどかしくもあった。

しかしこの本は、宗達とは何か、魅力はどこにあるのか、
いわゆる琳派とは何が違うのか・・といった核心について、
何とも明快に、しかも平易に解説してくれている。

しかも後半、宗達とマチスの類似性を述べ、
そこから「宗達とジャズ」へと論を進めていくあたり、
「やられた!」と思えるほど、その語り口は魅力的である。

絵を見る楽しみは何か?と問われたら、
それは「様々なモノの見方が楽しめること」だと思う。

1枚の絵を見せられたとき、
それはどういう絵なのかというきっかけさえ与えられれば、
あとは自分の想像力なり妄想で、
そこから色々な世界を彷彿とさせることができる。

その「きっかけ作り」に、
この本はまさにうってつけなのであって、
読み終わった後に、
すぐに宗達を見に行きたいという欲求に駆られてしまった。

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