「海岸線の歴史」(松本 健一)

「海岸線の歴史」(松本 健一)

海岸線の歴史
政治的な意味でも、そしてまた文字通りの意味でも、「国のかたち」を考えるにおいて、まして日本のように四方が海に囲まれた国であれば尚更、海岸線の意義は大きい。

万葉時代の防人、元寇、太平洋戦争、そして最近の尖閣諸島問題など、海岸線の問題はすなわち国の存亡に関わる可能性が高い。

といっても、僕は政治とか歴史とかいった方面にはあまり興味がないので、
この本の冒頭が土佐日記の解説で始まっているところに惹かれて、購入してみた。

土佐日記から日本の海岸線問題につなげよう、なんていう読み方は、少なくとも文学畑の人間には出来っこない、なかなか優れた視点だと思う。

思えば、ヤマトタケルの物語も業平の伊勢物語も、陸路が中心。あ、いや神武天皇の東征があったか。

それでもわが国の古代において、「海岸線」というのものを意識させる文献はそれほど多くない。

その意味でも「土佐日記」は価値ある存在なのだけれども、冷静に考えてみると、坂本龍馬が登場するまで、日本の歴史で土佐が注目させることなんてまずなかったような・・・。

おそらく「超」が付くぐらいの田舎だったはずだから、感受性の強い貫之みたいな人にとっては、土佐赴任は過酷な任務だったに違いない。

この本でも触れられているとおり、日本の海岸線の長さは中国の約2倍。
国民一人当たりの海岸線の長さになれば、中国の数十倍にもなる。

国民一人当たりの海岸線の長さ・・・自分で書いておいてアレだけれども、これ、面白いかも。

東京に住んでいると感覚が麻痺するけれども、日本はやっぱり海洋国なのだと思った。

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