「生命はなぜ生まれたのか-地球生物の起源の謎に迫る」(高井 研)
「なぜ生まれたのか」というと哲学的に聞こえるので、
タイトルはきっと、「どこでどのようにして生まれたのか」の方がいい。

従来までは生物なんてとても住めないと思われた熱水域に生息する、
「超好熱菌」と呼ばれる微生物こそが、
我々地球上の生命の起源である、というのが結論だ。

熱水域に限らず、
一部の微生物は驚くほど過酷な環境でも生存できることが分かっている。

このことは、地球外生物の可能性を示唆するとともに、
まだ熱かったはずの原始地球の環境で、
どのようにして生命が誕生したかを探る手掛かりとなるだろう。

生命の起源の探究は、
究極的には「実験室で生命を作りだすこと」に辿り着くはずなのであるが、
たとえその直前まで研究が進んだとしても、

果たして人間の倫理観や宗教観がそれに耐えうるかどうかは、
はなはだ疑問である。

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