「ヒトは食べられて進化した」(ドナ・ハート/ロバート W.サスマン)
得体の知れない何物かに人間が襲われる・・・
というのがホラー映画の基本だけれども、

ドラキュラはカッコつけすぎな感じがするし、
プレデターは捕食するわけではないし、

エイリアンは舞台設定が非現実的だし・・・って考えると、
ヒトを襲って喰らうゾンビこそが、正統なるモンスターか。

以前、巨匠ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ映画(タイトルは失念)を見たことがあったけれども、
その時の感想はズバリ、「野生の王国」。

まさにインパラがライオンに追い回され、最後は食われる、
というイメージと完全にダブった。

さて、ヒトの祖先は凶暴な肉食動物に捕食されていた、
などというと、素人の私にはむしろ当たり前のことに聞こえてしまう。

気候変動により森が減少し、
草原に降り立った鈍足の二足歩行の裸のサルが、
どうして肉食動物の餌食にならなかったはずがあろう。

しかしながら、
学界においてはそのようなことはタブーになっているらしい。

それどころか、ヒトの祖先の化石自体の研究でさえも、
政治的・宗教的圧力や偏見により、
ものすごく遅れているのが現状だ。
※今や、恐竜よりもヒトの祖先の方が、
「謎多き生物」と呼べるかもしれない。

だから、この本には特に驚くようなことは書かれていない。
むしろ一番驚くのは、
「研究者というのは偏見の塊だ」ということ。

その偏見の壁を壊して、
当たり前のことを当たり前に伝えるように努めたのが、
この本である。

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