「古事記外伝」(藤巻 一保)

もっとトンデモな本かと思ったら、
案外まともだった。

「アマテラス」は「天照」であるとともに、
「海照」であり、

所詮は大和朝廷が従えてきた海洋民族の信仰神であると。

面白い説だが、残念ながら、「海」を「アマ」と読む用例が、
どうも見当たらない(「海人(アマ)」ならある)。

ただ、天照大神は、天武・持統朝で不自然に高められた神であり、
日本における本来の最高神が、
大陸系の「タカミムスヒ」であったことは、
間違いないと思う。

記紀間の性質や記述の違いに着目し、
「古事記」から神話的要素を剥がす、
という作業はもっと行われていいはずだ。

文学者は嫌がるから、歴史家の仕事かな。

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