「好色」(芥川 龍之介)

「好色」(芥川 龍之介)

僕が所謂「本の虫」になったのは、
中学のときに父親が買ってきてくれた芥川の全集のせいだと思っている。

ちくま文庫のやつで、一冊読み終わると次の一冊、というように、
仕事帰りに本屋で買ってきてくれた。

果たしてそれが、中学生が読むべき本として適切なのかどうかは、今もって謎ではあるが、
まぁとにかく、そこから僕の読書ライフが始まったといってよいだろう。

たぶん、まともに読むのは、そのとき以来。
この「好色」も何度か読んだと思うが、偶然久々に目を通してみた。

色好みの「平中(へいちゅう)」をモデルにした、芥川得意の古典を題材とした作品なわけだが、
小説としては、大した出来ではない。

平中に関するあまりに有名なエピソードがまずあって、
そこに肉付けをして、近代風にアレンジしているのが、いかにも無理矢理というか強引で、
不自然に観念臭く、どうも好きになれない。

この作品に限らず、そもそも芥川という作家自体が、そういう作風なわけなのだけど、
今から思えば、中学生の自分はよくこんなものを読んでいたと思う。

また何十年後かに、芥川の小説を読む機会があるかもしれないが、
そのときには、どう思うだろう。

それまでこのブログが続いていたら、大変なことだが・・・。

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