「音律と音階の科学」(小方 厚)

調整とか平均律とか、
今まで「なんとなく」理解していことが、

科学的なアプローチで論理的に説明されていたので、
非常に助かった。

ブルーバックスだからといってナメていたが、
内容はなかなか簡単ではなかった。

細かい話はさておき、
音楽の理論というのは西洋で生まれたものだから、
やはり西洋音楽がベースになっているのだと、痛感。

特に、前からの個人的な疑問である、
「なぜ12音平均律なのか」という点については、

ハーモニーを重視しているから、という結論になるのだろう。

ピアノやオーケストラを考えればわかるように、
西洋音楽の歴史は、ハーモニーの歴史だった。

たとえば邦楽のように、琵琶だの三味線だのを弾きながら、
唄ったり語ったりする分には、別にハーモニーなど関係ないのである。

だから三味線を弾いていると、
最初は(平均律で)かっちり調弦していても、
途中から微妙にズレてくるのだけれど、

その音程のズレが、また何とも味わい深いのであって、
規律を重んじる西洋音楽では、あり得ない感覚である。

インドネシアのガムランは5音平均律らしいが、
そのハーモニーは、西洋音楽的には「ズレて」いる。

そう考えると、何をもって美しい音楽と感じるかは、
途中までは理論で説明できても、

最後の最後は、その人がどんな音楽に慣れているのか、
ということにかかってくるのだろう。

つまり、耳から入ってくる音の信号に対して、
脳がどのように解釈するか、という問題である。


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