「150通の最後の手紙―フランス革命の断頭台から」(オリヴィエ・ブラン)

 

フランス革命っていうのは、難しい。

「自由を勝ち取った市民革命」というよりも、
むしろ、虐殺、弾圧、処刑、といったイメージの方が強い。

歴史というのは、多分に「勝てば官軍」の要素が強いわけで、

曖昧な大義名分のもとに、命を絶たれた人々がいかに多かったことか。

投獄されてから、ギロチンにかけられるまでの間、

夫から妻へ、妻から夫へ、親から子へ、子から親へ、恋人から恋人へ、友から友へ・・・

さまざまな形の「最後の手紙」を紹介しているのが、この本である。

有罪だったにせよ、本当は無罪だったにせよ、
そしてその罪状が何であったにせよ、
最後の手紙に込められた人々の思いは、共通である。

悔恨、愛情、感謝。

歴史の闇に葬られた人々の真実の声を聞くことは、
それが歴史的資料としての価値があるのかどうかにかかわらず、
胸を打つものだ。

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