「ワンダフル・ライフ」(スティーヴン・ジェイ・グールド)

「ワンダフル・ライフ」(スティーヴン・ジェイ・グールド)

「ワンダフル・ライフ」(スティーヴン・ジェイ・グールド)

 

恥ずかしながら、この歴史的名著を、
やっと読むことができた。

この本は、バージェス頁岩の意義、バージェス化石の詳細な紹介、
そして、グールドによる進化観の説明、をメインとしている。

グールドの進化観については、他に詳しい書物もあるため、
「ワンダフル・ライフ」は、バージェスの化石、
いわゆる「カンブリア・モンスター」たちを、

ひとつずつ、明快に説明・紹介している点に、大きな意義がある。

これら「カンブリア・モンスター」の謎は、大きく二つある。

その1:
このような複雑な生物群が、なぜ突然現れたのか。

その2:
これら生物群のうち、現生生物とのつながりがないと思われるものについては、
なぜ絶滅してしまったのか。

グールドは、後者については説明を与えているが、
前者については、曖昧な答えしか記していない。

逆にいえば、それだけ、カンブリア・モンスターの誕生というのは謎なのであって、
20億年間を原核生物として過ごし、
さらに多細胞生物が誕生するまでに10億年を要したという、
長い長い「下積み期間」があったからこその、大誕生だったのか。

グールドは、それを「偶然」と言い切る。

つまり、進化が約束されていたのであれば、
何もそこまで長い「下積み期間」は必要なかったはずというわけだ。

生命の誕生と進化については、謎があまりにも多く、
果たして解明できるかどうかすら、疑問ではあるが、

比較的早い時期に、そのような問題に正面から立ち向かったという意味でも、
この本は名著と呼ばれる価値があるだろう。

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