「飲み屋」を分類し、
その中で特に、「居酒屋」とは何か、
どうあるべきか、どのように選ぶのがよいか、
について、自由に語られた本である。
著者が外国人のせいもあるかもしれないが、
居酒屋とはかくあるべき、というステレオタイプが少々強い気がする。
各々が各々の酒を、マイペースで楽しむことが許される、
それが居酒屋の良さだと思う。
ただ我々日本人は、居酒屋という形式がごく当たり前であるがゆえに、
その魅力の多くを見逃していることも、また事実である。
異文化の人によって、初めて感じられる特徴というものがある。
僕はそれを、パリのカフェやビストロで感じた。
それと同じように、居酒屋には居酒屋の良さがある。
それは理屈っぽくっちゃあ、いけない。
だから、これぐらいの新書で、気軽に読める内容がちょうどいい。
まさに居酒屋のカウンターで、焼き鳥と日本酒を楽しみながら、
読むにはちょうどいい一冊である。