「日本語の化学」(岩松 研吉郎)

 

タイトルはおカタいが、中身はフニャフニャの本。

著者が街中で耳にした若者を会話を、設問形式で紹介する、
という体をなしているわけだけれども、

その紹介されている内容が、胡散臭いというか、眉唾というか、
結構キワモノで、内容そのものよりも、
著者と自分の言語感覚(?)の違いを楽しむという結果になった。

たとえば、山手線の中での女子高生2人の会話、として紹介されている下記の例、

「今日もどっと疲れたドットCOドットJP、みたいな~」

自分は家にテレビもなく、雑誌も新聞も読まない生活をしているのだが、
果たして、「どっと疲れたドットCOドットJP」なる表現が、
流行語として使用されたことがあったのかと問われれば、
はなはだ疑問である。

その真偽はともかく、少なくとも自分の言語感覚的には、
「ドットcoドットjp」と、英字部分は小文字で記してもらいたいのだが。。

もうひとつ。
新宿のデパートの買い物客の発言として紹介されているもので、

「・・・・・ほかのショップにはまだあるんじゃなくて?・・・・・」

これの発言主のプロフィールは?という設問。

正解は、「こんな発言はいまでは上品な奥様でもしないので、オカマの発言」とあるのだが、
万が一、実際に著者が新宿のデパートで、オカマがこのように発言しているのを耳にしたのだとしても、
「上品な奥様」がこのような言い方をしない、という証明にはならない。

僕の感覚的には、

「・・・あるんじゃなくて?」

という言い方は、オカマや上品な奥様じゃなくてもすると思うのだけれど。。

ついでにもうひとつ、「ハミパン」という言葉の意味を、

「女子小・中・高生がブルマーからパンツをはみださせているさま」

と解説しているのだけれども、それはさすがに狭義すぎるでしょ!

とまぁ、こんな感じで全編ツッコミどころが満載なのだけれど、
1943年生まれの慶應義塾大学文学部教授のこの著者と、1974年生まれのこのブログの著者の、
どちらの言語感覚がマヒしているのかは、
皆さまの判断にお任せしたい。