「すべてがFになる」(森 博嗣)

「すべてがFになる」(森 博嗣)

最近ハマっている、密室系推理小説。

絶海の孤島に造られた、
セキュリティ万全の研究所。

そこで半ば監禁状態で暮らす女性博士が、
ウェディングドレスを着たまま手足を切断され、

目撃者たちの目の前を、ロボットで運ばれて移動するという、
やや衝撃的なストーリーになっている。

ネタバレギリギリの書き方をするけれども、

研究所自体のシステムは完璧だと思われていたにもかかわらず、
結局はそれを作った人物自体が犯人で、
そこにバグを仕込んでおいたという、

冷静に考えれば、誰でもそこに結論するでしょ、
と思えなくもないが、

プログラム用語とかが矢鱈と出てくるので、
あまり詳しくない人にとっては、
神憑り的なトリックに見えてしまうのかもしれない。

ただ、密室の中で「どうやって1人が2人になったのか」については、
思いも寄らなかったトリックというか、仕掛けが用意されている。

たぶん最初にディテールを思いついて、
そこから小説として構築していったのだろうが、

そうであるがゆえに、
殺人の動機とか全体の筋立てにちょっと強引な部分もあるかな。。

作中でロボットとか人形がクローズアップさているのは、
おそらく「黒死館」へのオマージュなのであろう。

あと、各章が「色」に関するタイトルになっているのも、
この手の作品のお約束。

全体的にウェットな感覚の作風になっているのが、
僕好みではないが、
イマドキの若い読者にはウケるのかもしれない。

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