町田 康 著「しらふで生きる 大酒飲みの決断」(幻冬舎)
運動と食事制限を継続し、
コロナ禍のダイエットも、
無事成功しているわけだけれども、

やはり「飲みすぎ」が気になる中、
たまたま目についたので読んでみることにした。

著者は、芥川賞を始め、
数々の文学賞を受賞している作家
(残念ながら、読んだことはない)

ということで、
何かしら得られるものがあるかと思い、
期待し過ぎたのが失敗だった。

本書は、

1.なぜ酒をやめようと思ったのか
2.どのようにして酒をやめたのか
3.酒をやめた後、どうなったのか

の3パートからなるわけだが、
2と3については、
まぁ自分にとってはどうでもよく、

やはり注目すべきは「1」の、
なぜこの人は酒をやめようと思ったのか、
の部分。

一言でいうならば、
「酒は人生の負債である」から、
著者は酒をやめたのだという。

つまり、酒を飲むのは、
健康に悪いし、時間の無駄だし、金も浪費する、と。

しかし本書を読み進めていくにつれて、
酒を飲むこと自体が、
「人生の負債」なのではなく、

どうやら、この人の酒の飲み方が、
良くないよね、ということが分かってくる。

どうもこの人は、
30年間に渡り、ほぼ毎日のように、

記憶をなくすまでグデグデに酔い、
周囲に迷惑をかけ、
恥ずかしい言動をし、

次の日は宿酔で仕事もままならない、
という生活を送ってきたらしい。

・・・それはね、
あんたの酒の飲み方が悪いんだよ、
と言いたい。

そんな人が酒をきっぱり止めて、
人生変わった!とか言っても、
へぇ、そうですか、ぐらいしか感想がなく、

それよりも、
まずは酒に対する接し方を変えて、

「おいしく、キレイに、楽しく飲む」
ことを追求すべきじゃないのかね、

というのが、正直な感想。

なんだろうな、
自分の極端な例を、
さも一般論のように偉そうに語っているのと、

あとは、3分の1の分量でも済む内容を、
くだらない文章でグダグダ述べているのと、

50過ぎのオッサン(執筆当時)が、
随所で「女にモテる云々」みたいな、
気持ち悪い価値観を述べているのが、

まったく共感することができず、

でも1,500円近くも払っているし、
読み始めたからには最後まで読まねば、、
という義務感から読んだけど、

これこそまさに「人生の負債」。

どれだけ優秀な作家先生かは知らないが、
まぁ、僕が知らないという時点で、
お察し。