朝里 樹 著 「日本現代怪異事典」(笠間書院)
特にコロナ禍になって、
マスクをしていない方がレアな世の中では、
想像しずらいかもしれないが、

かろうじて、
「リアルタイム口裂け女世代」としては、

我々が子供の時分は、
それこそマスクをして外を歩いてる人は、
奇妙かつ怪しい対象であり、

であるからこそ、
「口裂け女」という都市伝説は、
成立し得た。

マスクをしていることに対する奇異感が、
まるでない現代では、
口裂け女の恐怖も半減なわけで、

こんな世の中では、
「口裂け女」という都市伝説は、
生じなかっただろう。

まぁ、それが今では、
美人だと思ったら、
マスクを外すと・・(略

さて、
学校をベースにした怪談や、
ネットで広まった怖い噂など、

摩訶不思議なあれこれを、
一冊にまとめたのが、本書。

同工異曲を含めて、
ボリュームが多いので、
全部読むのに時間を要したが、

読書というよりは、
ネットを見る感覚で読破できたかな。

「赤いちゃんちゃんこ・青いちゃんちゃんこ」
とか、自分が子供の頃に聞いて、
怖かった記憶があるものも多かったので、
懐かしさもあった。

「リアルな事件」をベースにした噂や、
「リアルな人間」が原因となった出来事は、
掲載されておらず、

あくまでも、
人間の常識を超えたものや、
霊界、妖怪、に属するものを、
掲載の対象としているようで、

そこに若干の、
物足りなさはあるかもしれない。

一風変わったデータベースとして、
我が家の本棚の住人として迎えたい。