大統領の料理人

宇宙人が出ていなくても、たまにはこういう映画も観ます。

特に、料理人をテーマとした映画は不思議とよく観ていて、
自分とは無縁な世界に惹かれるところがあるのでしょうか。
ただ、途中でお腹が空くのが難点です。

この「大統領の料理人」は、ミッテラン仏大統領の専属シェフだった女性の、
実話を元にしたお話。

人間関係や面倒くさいしがらみに耐えられず、
大統領専属シェフという、料理人としてはこの上ない名誉な職を自ら辞し、
それとは真逆の環境である、南極基地の厨房で給食を作ることになる。

その両極端の舞台を交互に織り交ぜながら進める展開が上手いのと、
フランス語特有の軽妙な会話のやりとりもあって、
非常に快適な作品に仕上がっている。

専属シェフを辞める理由になった面倒なあれこれも、
そんなに重く表現されていないので、

悪くいえば、起伏や感動に乏しいのだけれど、
センスとテンポの良さがそれを遥かに上回っている。

久々に「上手い映画」を観た感じがした。

適正価格:1,500円