「たかが世界の終り」

 

若き天才と呼ばれる、グザビエ・ドラン監督作品。

不治の病であることを告げるために12年ぶりに帰郷した主人公の、
久々に再会した親や兄弟との擦れ違いの中での、
感情の揺れを表現した映画。

この映画の凄いところは、
ほぼすべてのシーンにおいて、画面の半分以上を人物の「顔」が占めているということ。

ストーリー云々ではなく、役者の演技そのものによって映画を成り立たせるという、
いかにもフランス映画っぽいというか、
それを嫌味に感じてしまう人にはオススメできない。

兄弟との諍いだって、日常によくあること。

そんな他の人々の「日常」に、死にゆく自分をどう配置するのか、
まさに生と死そのものを取り上げた、この作品のテーマは重い。

主役のギャスパー・ウリエルの、いかにも病弱そうで、
しかも家族思いで優柔不断ぽい表情はハマリ役だし、

脇を固める、ヴァンサン・カッセルや、マリオン・コティヤールといった、
おなじみの名優たちもさすがとしか言いようがない。

たまにはしんみりと、
命の意味みたいなものを考え、かつ名優たちの演技を堪能したい気分になったときには、
100%オススメできる作品である。

適正価格(劇場換算):2,000円

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