映画「ボーン・コレクター」

20年も前の名作なので、今更感がアリアリですが、
あらためて鑑賞し直してみたので、
備忘録代わりに。

ざっとあらすじを説明すると、

大怪我により、寝たきりとなった天才捜査官ライム(デンゼル・ワシントン)と、
自らが鑑識としての才能を見出した女性巡査ドナヒー(アンジェリーナ・ジョリー)。

ライムが指示を与えながらドナヒーが現場を調査するという形で、
残忍な連続殺人事件の解決に挑む。

毎度あと一歩のところまで追い詰めるが、
犯罪を防ぐことはできず、
ようやく最後の事件では被害者の救出に成功したものの、

犯人の魔の手はライムへと伸び、
そしてその正体は意外な人物だと判明する・・・。

ノリとしては、そのまんま『セブン』。

ただこちらは、主役の一方が完全に寝たきりで、
頭脳だけを使って犯人を追いつめるという点に特徴があるわけだが、

推理の過程がやや雑で、
たぶん小説には丁寧に描かれているのだろうけれど、

犯行現場の特定の仕方などに、
唐突感があるのを否めない。

あとは、今のデンゼル・ワシントンを知っているだけに、
やはりちょっと青臭い感はあるし、
自分は安全な場所に居ながら無茶な指示を出すあたりなど、
やや感情移入しかねる部分もある。

逆にその分、
この映画が初主演だったというアンジェリーナ・ジョリーの演技が光るわけで、

最初は酷な現場に弱音を吐きながらも、
次第に一人前の鑑識官として成長していく姿に、
共感を覚える人も多いことだろう。

終始ジメジメしたような映像は、
この作品にはピッタリだし、

逆に今のデジタル映像にはない質感があるような気がして、
キライじゃない。

最後の最後に犯人が初登場するわけではなく、
前半の登場人物の中に犯人がいるわけで、
「犯人捜し」のミステリーとしても楽しめるだろう。

適正価格(劇場換算):1,900円