映画「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」
2018年のフィンランド映画。

1枚の名作をめぐる、
老画商の人生と家族の絆を描いた作品なのだけれど、
美術好きには是非観て欲しい良作。

主人公の老画商は、
商売が上手くゆかず苦しんでいるところ、
一枚の肖像画に出会う。

それをロシアの大画家、レーピンの作品だと確信した彼は、
職業訓練としてやってきた孫の助けを借りながら、

その絵がレーピン作であることの立証と、
オークションで買い取るための算段に奔走する。

無事その名画を手に入れることができ、
買い手の目処も立ったのだが、
邪魔が入り商談が不成立、
老画商は絶望のどん底に沈んでしまう…

というストーリー。

美術品売買に絡むマネー問題と、
それに翻弄される人々、

そして家族の絆、
もちろん絵画の素晴らしさ、

これらを一度に味わえる、
なかなかの良作かと。

ストーリー、脚本、キャスト、
どこをとっても、難癖の付けようがないなぁ。

ただちょっと気になったのは、
問題となっている絵画の落札価格が、
1万ユーロ(120万円ぐらい?)というのは、

たとえその作品が、
「作者不詳」として扱われていたという設定にしても、
ちょっと安すぎるのではないかと。

※そんなものなのかもしれないが、
120万円を工面するために、
主人公があの手この手を尽くすのが、
ちょっと違和感があったのだけれど、
フィンランドの物価事情もあるのかもしれない。

細かいことはさておき、
100分弱で心を洗われる体験をしてみては。

適正価格(劇場換算):2,000円