コズミック フロント☆NEXT「初公開!恐竜絶滅 詳細なシナリオ」(NHKオンデマンド)

 

まずことわっておくと、
我が家には、もう10年近くもテレビがない。

だからどこぞの放送局の下請会社が料金を徴収しにきても、
テレビは嫌いだし、持ってないし、見たくもないし、ケータイでも見れないし、
ということを、証拠付きで説明することで、撃退しているお引き取りいただいている。

ただ、1~2年前に、
「あなたの家にはテレビがないことを確認できましたので、
もう徴収にこないように登録しておきます」
と言っていたにも関わらず、先週また来たのには驚いたが、

まぁ下請会社はしょっちゅう変わるのだろうし、向こうも仕事なのだろうからと思って、
そこは「丁重に」追い返させていただいた。

テレビが嫌いだとは言っても、
この「NHKオンデマンド」のように、ネットで良質な番組が見られることは知っていたし、
機会があれば視聴してみようという気は満々だったわけで、

せっかくだから、長風呂でもしながらスマホで見ようと思い、
浴槽に浸かって、再生開始・・・・・・・・・

なんだ、スマホで見るには専用のアプリがいるのかよ、と、
この時点で若干嫌気がさしながらも、しぶしぶダウンロードして、
さぁ今度こそいよいよ、再生開始・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
あ?なんじゃこれ?
やけに画面がコマ切れににあるから、そういうエフェクトなのかと思っていたら、
いつまでもたってもそのまんま!!
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
あ?なんじゃこのクソアプリは!!
こんなもんで、「ネットで見てる人からも料金徴収します」だと?
大体、この番組見るために既に200円払ってるんじゃ!
どうせ見られないのなら、風呂に入る前に言ってくれ!

と、やり場のない怒りと湯加減とで熱くなりながら、
そこはまぁ、いい歳した大人なんで、
風呂から上がって、ちゃんとPCで視聴しましたよ。

前置きが長くなった。

これは去年行われた、チクシュルーブ・クレーターへの本格調査をベースとしたドキュメンタリー。

メキシコ湾上で、24時間X5週間。

ひたすら穴を掘り続けて、採取した地層の厚さはなんと1.7km。

こういう地道な科学調査というのはなかなか好きで、
エレガントな理論物理も良いとは思うが、

地球を掘り続ける地質学者には、
聖人といおうか、狂人といおうか、何とも喩えがたい別格のイメージがある。

小惑星衝突前後の岩石層を調べることで、
衝突のメカニズムの精緻なシミュレーションができたのは大きい。

地下深くにあるはずの花崗岩が、
抉り出されたように海底に噴出し、
そして、地理的にそこに豊富にあるはずの、石灰岩と硫酸塩が全く存在していなかった。

これが「地球史上5番目の大絶滅」の犯人となった物質なわけで、
恐竜殺しの数多くの仮説は、すべて表舞台から退かねばならないだろう。

ここまでの内容であれば、ある意味予想どおりだったのだが、
最後に意味深な内容で、この番組は閉じられた。

それは、衝突の直後に「謎の地層」が見られるのだという。

これには今回のプロジェクトに関わった多くの学者たちが揃って首を傾げているそうで、
おそらく生物の絶滅と何らかの関わりがあることは間違いないが、
正体はまったく不明。

この地層の正体が判明すれば、
中生代~新生代に起きた惨事の真相が、かなり明確になることだろう。

火山灰?地球外物質?ガンマ線の影響?煤?・・・・

一旦は退場させられた「その他の仮説」たちが、
もう一度日の目を見るようになるかもしれない。