小説

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「プロジェクト・ヘイル・メアリー」(アンディ・ウィアー)

映画『オデッセイ』(マット・デイモン主演)の原作となった、 『火星の人』の作者によるSF長編。 あまり詳しくないのだけれど、 「ハードSF」っていうのかな? 工学、力学、生物学、進化学、 気象学、熱力学、化学… とにかく、科学の各分野にわたる、 ディテールのこだわりがハンパない。 ストーリーとしては割と単純で、 太陽に生じた異変を解消するための、 カギを握る物質を探るために、 系外太陽系に向けて、 […]

「硝子の塔の殺人」(知念 実希人)

最近、ミステリーを読む心の余裕?がなく、 前から気になっていた本作を、 ようやく読むことができた。 プロローグでいきなり、 犯人の独白から始まるのが意外で、 そこからその犯人視点で、 なぜ、どのようにして殺人を犯したのかが、 描かれていくわけだが、 やがて犯人が予想もしていなかった、 第二、第三の殺人事件が起こる。 自分以外にも殺人犯人がいる、、 自分はバレないだろうか、、 どうやってそいつに自分 […]

「邪悪の家」(アガサ・クリスティー)

原題は「Peril at End House」だから、 「邪悪の家」という邦題は、 原題のニュアンスとも、 そしてもちろん作品の内容とも、 マッチしていない。 その作品の内容はと言うと、 とある家に暮らす若くて美しい女性が、 何者かに命を狙われていることを知った名探偵ポアロが、 その女性を巡る人間関係を紐解きながら、 悪戦苦闘の末、意外な真相を突き止める、 というもの。 読者には、 ポアロが整理し […]

「改訂完全版 暗闇坂の人喰いの木」(島田 荘司)

この作家の作品を読むのは3作目。 『斜め屋敷の犯罪』の大胆なトリックに惹かれ、 次に、評判高い『占星術殺人事件』を読んだものの、 オカルト色が強すぎて、 謎解き小説としてはイマイチだった。 そして、この作品。 結果としては、 かなり満足のゆく作品だった。 まずはその猟奇性。 ある意味『占星術殺人事件』以上に、 血腥く、残酷な話ではあるのだが、 怪談的・冒険譚的要素がプラスされているせいか、 ワクワ […]

「ABC殺人事件」(アガサ・クリスティー)

地名の頭文字が、 A、B、C…で始まる土地で、 名前の頭文字が、 A、B、C…で始まる人物が、 次々に殺されてゆく。 殺人現場に残されるのは、 ABC時刻表、 そして常に現場にいた容疑者の、 名前もまた、ABC…。 アルファベットにまつわる連続殺人、 というプロットは、 さすがクリスティという感じだが、 うーーん、 殺人の動機もイマイチだし、 殺しの手段もほとんど描かれていないし、 ディテールの詰 […]

「異常論文」(樋口 恭介 編)

「異常論文」というジャンルを、 この本で初めて知ったわけだが、 シンプルに言ってしまえば、 「論文の形式で書かれた小説」 ということになる。 ほぼ完全な論文形式の作品もあるが、 テーマはフィクションなわけで、 そういう意味では、 広い意味での「SF」となるわけだが、 ただ、とても論文には見えない作品も、 多々混じっており、 僕的に「異常論文」を定義するならば、 ストーリーが存在せず、 作者が好き勝 […]

「占星術殺人事件」(島田 荘司)

この作家の作品を読むのは2作目となるが、 これがデビュー作にして代表作(?)だという。 感想を端的に述べるならば、 「力作ではあるが、傑作ではない」 という感じか。 とある画家と、 その6人の娘が惨殺される、という、 かなり猟奇的なテーマなのだけれども、 正直、犯人がすぐに分かってしまったというのが、 僕にとってのマイナスポイントだったのかもしれないが、 まぁ、トリックにしても、 世間で言われてい […]

「終着駅(ターミナル)殺人事件」(西村 京太郎)

ほんの2、3年前から、 たまにミステリーを読み出すようになり、 当然、西村京太郎の名前も知っていて、 「名探偵が多すぎる」も、 読んだのだけれども、 やはりこの作家といえば、 鉄道モノ、 自分も鉄道の旅とか時刻表とか、 子供の頃から好きではあったので、 さて、どれから読もうかと悩んだ末、 調べてみて評価の高かった、 この「終着駅(ターミナル)殺人事件」を、 読んでみることにした。 上野駅の、 都内 […]

「斜め屋敷の犯罪」(島田 荘司)

舞台となる風変わりな館と、 謎の人形。 この設定は、 『黒死館』へのオマージュと考えていいのかな。 あそこまで衒学的でも、 難解な文章でもないし、 (いや、むしろライトすぎる) 一方で、大胆なトリックは、 なかなか読み応えがあって、 殺人の動機とか、 一部の仕掛けにやや不自然な部分はあるものの、 総じて楽しむことができた。 特に2番目の殺人、 このトリックがまさに作品の肝というか、 むしろ「すべて […]

「第八の探偵」(アレックス・パヴェージ)

いわゆる「作中作」モノのミステリー。 登場人物は編集者と作家の二人で、 その作家の書いた、 七編からなるミステリー短編集について、 編集者がインタビューする形式で、 物語は進む。 インタビューとはいいながら、 編集者が作家の前で、 各短編を朗読するという儀式があるため、 我々読者も、 当然すべての短編を読むことになる。 この小説の特徴は、 推理小説に数学的定義を与えたことで、 具体的には、 探偵・ […]

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