小説

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「人狼城の恐怖 第四部完結編」(二階堂 黎人)

思えば昨年のGWに、 有栖川有栖による密室紹介みたいな本でこの作品を知り、 ただ、そのあまりの長編ぶりにビビッて、 いつかゆっくり読もうと思っていたのに、 こんなに早く読破できるとは。 思えば2019年は、上記の本のせい(おかげ?)で、 主に密室系のミステリーに目覚めたわけだが、 その中には、いわゆる「四大奇書」のうち未読だった、 『虚無への供物』と『匣の中の失楽』も含まれていて、 そしていま『人 […]

「人狼城の恐怖 第三部探偵編」(二階堂 黎人)

第一部・第二部にて、 二つの人狼城での猟奇事件の話が終わり、 この第三部では、 いよいよ日本の名探偵・二階堂蘭子が登場する。 二階堂蘭子の人物紹介やら、 彼女たちが語るやや形而上学的な話やら、 また、読者は既に承知済みの第一部・第二部の内容を、 蘭子たちが知っていく過程も描かれるので、 第三部に入って、 かなりペースダウンした感は否めない。 ただ、いきなり解決編が示されるわけではなく、 まるで読者 […]

「人狼城の恐怖 第二部フランス編」(二階堂 黎人)

独仏国境の、アルザス・ロレーヌ地方。 そのドイツ側にあるのが「銀の狼城」。 フランス側が「青の狼城」。 第二部は、「青の狼城」での猟奇殺人事件がテーマとなるが、 第一部と違い、ツアー客が城に行く前に、 「人狼」の正体が明らかにされる。 第一部と第二部は、 どちらを先に読んでもよいとされていて、 第一部⇒第二部と読んで、 あぁ、第一部の事件はそういうことなのね、と納得してもよいし、 逆に、第二部⇒第 […]

「人狼城の恐怖 第一部ドイツ編」(二階堂 黎人)

2019年の特筆すべき読書体験といえば、 昨年末に買ったKindleが大活躍だったことと、 密室トリックへの興味から、 それまで読まなかった推理小説を読み始めたこと。 この『人狼城の恐怖』は、 当時世界最長の推理小説ということで、 ギネスにも載っているらしいのだが、 これはまさに正月休みを利用して読むしかあるまいと思い、 全4冊のうち、まずは1冊目を読んでみた。 いやぁ、これはなかなか面白い。 推 […]

「僧正殺人事件」(S・S・ヴァン・ダイン)

古典ミステリーの傑作、ということは知っていたけれども、 タイトルがなんか堅苦しくて、ついつい敬遠していた。 とある一家に関わる人々が、 マザー・グースの童謡の内容に沿って次々に殺害される事件を、 名探偵ヴァンスが解決する物語。 「僧正」というのは、 殺人犯人が、犯行声明文にそのように署名していたことと、 作品中の重要なアイテムである、 チェスの駒の「ビショップ」からきている。 登場人物に物理学者や […]

「三つの棺」(ジョン・ディクスン・カー)

自分は普段あまり小説を読まないので、 大変恥ずかしながら、 推理小説の大御所であるこの作家の作品を読むのは、 実はこれが初めてである。 なので、他の作品との比較はできないのだが、 書評等々で、この作品がカーのファンには、 それほど高評価ではないことも、何となく知っていた。 そんな状況の中で、読んでみての感想としては、 面白くはないが、よく出来てはいると思う。 面白くないというのは、 もしかしたら翻 […]

「アデスタを吹く冷たい風」(トマス・フラナガン)

たまに探偵小説とかミステリー小説が読みたくなって、 でもあまりそっち方面は詳しいわけでもないので、 amazonでオススメされたこの本を。 作者のトマス・フラナガンは1923年生まれなので、 もはや古典と言ってもいいのかもしれない。 7つの短編からなっているのだけれど、 約半分は「テナント少佐」が活躍(?)する物語で、 そちらの方が味わい深い。 舞台は地中海に面した架空の国で、 革命により地位を手 […]

「生ける屍の死」(山口 雅也)

現代日本を代表する推理小説と言っていい。 全編とにかく「死の臭い」に満ち溢れているのが特徴で、 霊園を舞台とした連続殺人事件というメインテーマはもとより、 この小説の最も特異な点である、 死者が蘇る という設定が、 この作品に更なる暗い色調を加えている。 要するにリヴィング・デッドが普通となった世界なわけだが、 といっても、ゾンビのように生者を喰うわけでもないし、 また意識がないわけでもなく、 蘇 […]

「解体諸因」(西澤 保彦)

バラバラ殺人事件のみを題材とした、 異色の推理短編集。 別に僕が猟奇マニアというわけではなく、 単に密室トリック好きとして、 この短編集の中の、 エレベーターが8階から1階まで降りる数十秒間に、 被害者がエレベーター内でバラバラにされたという作品(『解体昇降』)を、 読みたかったので。 目当ての作品については、 心理的な密室トリックになっており、 まずまず楽しめたのであるが、 他の作品については、 […]

「灯台鬼」(大阪 圭吉)

15分程で読了できる短編でありながら、 読後に絶妙な余韻を残してゆくなかなかの佳作。 舞台は、とある岬に立つ灯台。 人里からも、そして地上からも離れ、 ある意味密室ともいえる灯室で、 灯台守が惨殺される。 殺され方は奇妙極まりなく、 とても人の力では運べない巨大な岩が、 灯室の窓を破って飛び込んできて、 灯台守を下敷きにしてしまったらしい。 しかも、現場発見者によれば、 破れた窓から、蛸のようなヌ […]

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