小説

1/7ページ

「僧正殺人事件」(S・S・ヴァン・ダイン)

古典ミステリーの傑作、ということは知っていたけれども、 タイトルがなんか堅苦しくて、ついつい敬遠していた。 とある一家に関わる人々が、 マザー・グースの童謡の内容に沿って次々に殺害される事件を、 名探偵ヴァンスが解決する物語。 「僧正」というのは、 殺人犯人が、犯行声明文にそのように署名していたことと、 作品中の重要なアイテムである、 チェスの駒の「ビショップ」からきている。 登場人物に物理学者や […]

「三つの棺」(ジョン・ディクスン・カー)

自分は普段あまり小説を読まないので、 大変恥ずかしながら、 推理小説の大御所であるこの作家の作品を読むのは、 実はこれが初めてである。 なので、他の作品との比較はできないのだが、 書評等々で、この作品がカーのファンには、 それほど高評価ではないことも、何となく知っていた。 そんな状況の中で、読んでみての感想としては、 面白くはないが、よく出来てはいると思う。 面白くないというのは、 もしかしたら翻 […]

「アデスタを吹く冷たい風」(トマス・フラナガン)

たまに探偵小説とかミステリー小説が読みたくなって、 でもあまりそっち方面は詳しいわけでもないので、 amazonでオススメされたこの本を。 作者のトマス・フラナガンは1923年生まれなので、 もはや古典と言ってもいいのかもしれない。 7つの短編からなっているのだけれど、 約半分は「テナント少佐」が活躍(?)する物語で、 そちらの方が味わい深い。 舞台は地中海に面した架空の国で、 革命により地位を手 […]

「生ける屍の死」(山口 雅也)

現代日本を代表する推理小説と言っていい。 全編とにかく「死の臭い」に満ち溢れているのが特徴で、 霊園を舞台とした連続殺人事件というメインテーマはもとより、 この小説の最も特異な点である、 死者が蘇る という設定が、 この作品に更なる暗い色調を加えている。 要するにリヴィング・デッドが普通となった世界なわけだが、 といっても、ゾンビのように生者を喰うわけでもないし、 また意識がないわけでもなく、 蘇 […]

「解体諸因」(西澤 保彦)

バラバラ殺人事件のみを題材とした、 異色の推理短編集。 別に僕が猟奇マニアというわけではなく、 単に密室トリック好きとして、 この短編集の中の、 エレベーターが8階から1階まで降りる数十秒間に、 被害者がエレベーター内でバラバラにされたという作品(『解体昇降』)を、 読みたかったので。 目当ての作品については、 心理的な密室トリックになっており、 まずまず楽しめたのであるが、 他の作品については、 […]

「灯台鬼」(大阪 圭吉)

15分程で読了できる短編でありながら、 読後に絶妙な余韻を残してゆくなかなかの佳作。 舞台は、とある岬に立つ灯台。 人里からも、そして地上からも離れ、 ある意味密室ともいえる灯室で、 灯台守が惨殺される。 殺され方は奇妙極まりなく、 とても人の力では運べない巨大な岩が、 灯室の窓を破って飛び込んできて、 灯台守を下敷きにしてしまったらしい。 しかも、現場発見者によれば、 破れた窓から、蛸のようなヌ […]

「黄色い部屋の謎」(ガストン・ルルー)

ガストン・ルルーといえば、 一般的には『オペラ座の怪人』の作者として有名だが、 探偵小説好きとしては、 やはりこの『黄色い部屋の謎』を挙げないわけにはいかない。 タイトルにもなっている「黄色い部屋」の密室トリックと、 衆人の目の前で犯人が消失するというトリックが目玉なのだが、 個人的には、探偵小説のトリックというものは、 物理的要因に近づくほど魅力が薄れ、 逆に、心理的要因に近づくにつれ魅力が高ま […]

「三角館の恐怖」(江戸川 乱歩)

本当はロジャー・スカーレットの、 「エンジェル家の殺人」を読みたかったのだけれども、 kindle版が出ていなかったので、 その翻案であるこちらの作品を読むことにした。 一番の興味の的だったエレベーターの密室殺人のトリックも、 第一の殺人のトリックも、そして犯人についても、 (自慢ではないが)分かってしまった自分としては、 それほど感銘を受ける内容ではなかったのだけれども、 築地の川沿いの洋館を対 […]

「すべてがFになる」(森 博嗣)

最近ハマっている、密室系推理小説。 絶海の孤島に造られた、 セキュリティ万全の研究所。 そこで半ば監禁状態で暮らす女性博士が、 ウェディングドレスを着たまま手足を切断され、 目撃者たちの目の前を、ロボットで運ばれて移動するという、 やや衝撃的なストーリーになっている。 ネタバレギリギリの書き方をするけれども、 研究所自体のシステムは完璧だと思われていたにもかかわらず、 結局はそれを作った人物自体が […]

「ブラウン神父の不信」(G・K・チェスタトン)

探偵小説の古典中の古典、 チェスタトンによるブラウン神父シリーズ。 たぶん10代の頃にいくつか読んでいるはずだけれど、 最近ちょっと密室系トリックに凝っていることもあり、 ならばまずは古典を、 ということでブラウン神父に白羽の矢を立ててみた。 どの作品も短編なのだが、 密室を含めたトリックが凝縮されていて、 成程、成程、と感心させられる。 が、好きか嫌いかと言われれば、 嫌いな方かも・・・。 とい […]

1 7