ぎだゆう座初春公演

両国、しかも次の日が相撲の初日ということで、まずは触れ太鼓。
なるほど、こういうものかと、興味津々。

続いては、いよいよ義太夫。

といっても、ここは唄もので、義太夫の神髄はやはり「語り」だと思うから、
正直イマイチかな。

二人の三味線の息が、明らかに合ってない。
邦楽ではよくある、複数人でまったく同じパートをユニゾンで弾く、という形式は、
個人的にはどうも好きになれない。
特に義太夫三味線だと、その魅力が半減してしまう。

休憩を挟んで、相撲甚句。

これも初体験。なかなか面白い。
ただ、これって、実際の力士がやるからイイのであって、
一般の人がやっても、都々逸とか、類似した歌謡との区別があまりなくなるのではないか、という気も。

そしていよいよ、最後の演目。
これが素晴らしく、聴きにきた甲斐があった。

竹本越孝さんの、起伏に富んだ語り、
それにまとわりつく、地を這うような義太夫三味線。

今回も三味線は二丁だが、一方はツレなので、絶妙な掛け合いとハーモニーが聴けた。

女流義太夫を聴くのは今回が初めてだったわけだが、
高音が通る反面、義太夫独特の低音の渋味は、当然ながら全く活きてこない。

あと、浄瑠璃では、高音域におけるファルセットでの唱法というのが、醍醐味のひとつでもあるので、
やはり男声の魅力には、及ばないかな。

それでも、気軽に義太夫が聴けることは嬉しいので、
女流義太夫の公演には、またちょくちょく足を運ぼうと思う。