本・読書

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「荷風語録」(川本 三郎 編)

  永井荷風の作品を、「明治・大正」「戦前」「戦後」「『断腸亭日乗』の世界」に4分類し、 それぞれに描かれた「東京」について解説付きで鑑賞するという、 一風変わったアンソロジー。 東京からかつての江戸が消えていくのを惜しむだけではなく、 実際に深川や玉の井に足を運び、 そこに残る江戸の名残を克明に描写するという荷風のスタイルは、 平成も終わろうとする現代に読んでみても、 決して古臭さを感 […]

「全集を買うとしたらこの作家」ベスト10

第1位:寺田寅彦 第2位:内田百間 第3位:永井荷風 第4位:澁澤龍彦 第5位:岡本綺堂 第6位:坂口安吾 第7位:近松門左衛門 第8位:泉鏡花 第9位:小栗虫太郎 第10位:ジュール・ヴェルヌ 次点としては、種村季弘、井原西鶴、稲垣足穂あたりが続く。 夏目漱石、川端康成、芥川龍之介、夢野久作らは、もちろん好きな作家であるが、 少年時代からあまりにも読み過ぎていて、 いまさら全集を買うのがやや気恥 […]

「古生物学者、妖怪を掘る―鵺の正体、鬼の真実 」(荻野 慎諧)

  あんまりこのブログで悪口を書くと、 あいつは性格が悪い、などと思われても困るので、 最低限揚げ足取りみたいなことは避けようと心掛けてはいるのだが、 でも、この本にはひとこと言いたい。 自分は科学者であると言い、そして「妖怪古生物学」なるものを標榜しておきながら、 あとがきにおいて、「これはフィクションである」と予防線を張ることが、 情けなさすぎる。 自分の説に自信がないのであれば、 […]

「はだかの起原 不適者は生きのびる」(島 泰三)

  現生人類に体毛がないのは、生存には明らかに「不適」である、 それは、「適者生存」を唱えるダーウィン進化論に誤りがあるからである、 というのが、この本のおおまかな主旨。 そもそも進化には、 「適者生存」のような絶対的なルールが存在するのかどうかは証明できないし、 結局は状況証拠から推論をせねばならない部分が多いわけで、 その意味で「完璧な」理論などというのはあり得ない。 その隙を狙って […]

「きわどい科学―ウソとマコトの境域を探る」(マイケル・W. フリードランダー )

  科学とインチキの間といっても、 ・ギリギリだけれど科学といえるもの ・科学っぽいけどインチキなもの ・グレー判定のもの に大別される。 それぞれが厳密にどう異なり、 それらに対峙するときに我々はどういう態度でいるべきかを、 科学者である著者が、科学者的視点で語った本。 UFOや超能力といった、オカルト的なネタも取り上げられてはいるが、 いわゆる「トンデモ科学本」のように読者を煽るので […]

「人生談義(上)(下)」(エピクテートス)

  哲学書なんて10代の頃に、申し訳程度にカントとかニーチェとか読んだぐらいで、 大人になってからは、まったく無縁のジャンルだったわけだが、 ふとしたきっかけでエピクテートスのことを知り、 彼の語録であるこの「人生談義」を手にしてみた。 古代ギリシャの哲学者といえば、 ソクラテスとかプラトンとか、まぁたしかに哲学書の中では多少読み易い印象だが、 この「人生談義」は、その中でもかなりライト […]

「日本 傑作広告」(大伏 肇)

  随分と古い本だと思って古書店で買ったのだが、 初版が平成3年とのことで、そうでもなかった。 でも扱っている素材は江戸~昭和初期にかけてのものなので、 内容的には、古書然としている。 Webの業界に入って以来、 なぜかチラシとかポスターとか「1枚もの」の広告に興味があって、 それはなぜかと考えてみるに、 1枚という限られたスペースで、伝え手と受け手がいかに濃い内容をやり取りできるか、 […]

「中国名詩集」(井波 律子)

  同じく井波律子さんの「中国名言集 一日一言」とペアになるような本。 名詩と呼ばれるものから、マイナーな作品まで、 唐代以降の詩人82人の137首を、ジャンル別に紹介したアンソロジーとなっている。 漢詩の鑑賞というのは、 まず白文を眺めてだいたいの意味を掴み、次に読み下し文でリズムを味わい、 そして注釈を読み、さらに現代語訳で細かな意味を理解し、 再度読み下し文に戻って、意味を分かった […]

「動物たちのすごいワザを物理で解く」(マティン・ドラーニ/リズ・カローガー)

  装幀はポップなのだけど、中身はしっかりした本。 コウモリが音波を使うこととか、ハチの巣の六角形の理論とか、 動物たちが物理を用いていることを、我々は知ってはいるけれども、 でもまだまだ世の中には、 我々の想像を超えているような動物たちがたくさんいる。 敢えてメスのフリをしてオスに抱かれることで熱を奪うヘビや、 ボクサー顔負けの強烈なパンチを打ち込めるシャコ、 水上を歩くアメンボのメカ […]

「核DNA解析でたどる 日本人の源流」(斎藤 成也)

  縄文人、そして弥生人はどこから来たのか、というのは、 日本人のアイデンティティに関わる問題でもあり、 言語や文化、身体的特徴など、 あらゆる角度から様々な検討が行われてきた歴史があるわけだが、 いよいよ「核DNA解析」という、決定打とでもいうべき手法によって、 日本人の源流を追究した結果が、本書の内容である。 そもそもいかなる科学的手法であっても、 それが正しいかどうかは100%信じ […]

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