本・読書

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「核DNA解析でたどる 日本人の源流」(斎藤 成也)

  縄文人、そして弥生人はどこから来たのか、というのは、 日本人のアイデンティティに関わる問題でもあり、 言語や文化、身体的特徴など、 あらゆる角度から様々な検討が行われてきた歴史があるわけだが、 いよいよ「核DNA解析」という、決定打とでもいうべき手法によって、 日本人の源流を追究した結果が、本書の内容である。 そもそもいかなる科学的手法であっても、 それが正しいかどうかは100%信じ […]

「地獄の思想―日本精神の一系譜」(梅原 猛)

梅原猛というと、何かと物議を醸してきた印象があるけど。 この本の前半では、仏教において地獄をどのように解釈しているか、 そして後半では、日本文学の中に地獄がどのように表れているか、 が書かれている。 後半で採り上げられているのは、 『源氏物語』、『平家物語』、世阿弥、近松、宮沢賢治、太宰治。 うーーん、どれも単なる評論になっていて、 「地獄の思想」の解説にはなっていない、というのが正直な感想かな。 […]

「酒好き医師が教える最高の飲み方」(葉石 かおり)

  各章に1人ずつの医師を監修につけて、 酒と健康にまつわるトピックスを綴っていく、という本。 食べ物にせよ、酒にせよ、 含まれている成分のうち、何かしら体に良いものがあるのは当然のことで、 逆に、摂取しすぎはよろしくない、ということも言われるまでもなく明白である。 この本も、酒の良い面と悪い面を挙げているだけなので、 時には矛盾しているような内容もあるし、 結局どうすればいいんだよ?と […]

「字源の謎を解く」(北嶋 廣敏)

  出たばかりの本なのでつい買ってしまったわけだけれども、 語源と違って、字源にはどうしてもシラける要素がある。 それは、「甲骨文字でそうなっているから」という説明。 漢字の起源が甲骨文字であることは間違いないから、 そこでの物証は絶対であり反論の余地はないわけだが、 だからといって、例えば甲骨文字の存在を知らなかった『説文解字』の字源説を、 一刀両断に斬り捨てるようなのは、どうも面白く […]

「図説「最悪」の仕事の歴史」(トニー・ロビンソン)

  英国史上における「最悪」と思われる職業の詳細を説明した本。 筆者が定義する「最悪」の5つの要素とは、 体力が必要なこと 汚れ仕事であること 低収入であること 危険であること 退屈であること であり、上記を1つ以上含む職業ができる限り網羅されている。 その例を挙げるならば、 金鉱夫/写本装飾師/鉄収集人/コイン奴隷/ウミガラスの卵採り/治療床屋/亜麻の浸水職人/財務府大記録の転記者/焼 […]

「澁澤龍彦の記憶」(巖谷國士、養老孟司 他)

  僕の10代の頃の読書の対象といえば、 漱石や川端のような純文学がある一方で、 夢野久作や、そしてこの澁澤龍彦のような、 ある意味「異端」なものもあった。 まさに現代のプリニウスとも呼ぶべき、 古今東西のあらゆる事象に向けて好奇の眼を向ける澁澤作品。 なかでもやはり、最後の小説となった「高丘親王航海記」は、 純文学とか異端文学とかいう垣根を超えた(内容的には純文学であるが)、 奇跡的な […]

「仮名手本忠臣蔵」(上村 以和於)

  「忠臣蔵論」というとあまりにも広すぎるが、 あくまでも「仮名手本忠臣蔵」をベースに、 歌舞伎や浄瑠璃、あるいは数々の外伝、 そしてそこから派生した現代の小説等を比較分析し、 「仮名手本忠臣蔵」の世界を立体的に浮かび上がらせた評論。 いま「立体的」と言ったが、 「仮名手本忠臣蔵」は文学であると同時に、 文楽や歌舞伎といった3次元芸術を前提としたものであり、 また描かれた世界も、徳川と足 […]

「光速者」(埴谷 雄高)

  僕にとって2冊めの埴谷雄高体験。 一応、宇宙に関係のある著作を集めたものらしかったので、 これなら自分にも理解できるかも、、と思ったけど甘かった。 全体的に文章の抽象度が高く、 文学部出身のくせに、こういう香り高い(?)文学とは無縁で過ごしてきた自分には、 ちと理解に及ばない部分が多々ありすぎる。 でも、地球を超え、銀河を超え、 お隣のアンドロメダ銀河と我々の銀河との関係に思いを馳せ […]

「疑惑の科学者たち: 盗用・捏造・不正の歴史」(ジル・アルプティアン)

  真実を追求するという科学の歴史の裏には、 ある意味当然ながら、その真実をねつ造した者たちの歴史もある。 もしくは、真実に到達したものの、 その過程においてフェアではない行為が行われた場合もある。 まだ記憶に新しい事例では、あの小保方晴子。 また、パストゥールのような伝説的な偉人にも、盗用があったとし、 アインシュタインでさえも、現代の基準で判定すれば「アウト」だという。 その他にも科 […]

「感染地図」(スティーヴン・ジョンソン)

  泥と糞尿の臭いに包まれた、19世紀ヴィクトリア朝のロンドン。 ソーホー地区で発生したコレラに立ち向かう、 無口な医師と善良なる牧師。 この本は、疫病という見えない敵に立ち向かう科学の力と、 その背景にある都市や行政の在り方を、 物語風に語った、科学エッセイである。 小説以外の文庫本を読んで、 これほど興奮したのはどれぐらいぶりだろう。 本書のあとがきに掲載されているシアトル・タイムズ […]

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