本・読書

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「仮名手本忠臣蔵」(上村 以和於)

  「忠臣蔵論」というとあまりにも広すぎるが、 あくまでも「仮名手本忠臣蔵」をベースに、 歌舞伎や浄瑠璃、あるいは数々の外伝、 そしてそこから派生した現代の小説等を比較分析し、 「仮名手本忠臣蔵」の世界を立体的に浮かび上がらせた評論。 いま「立体的」と言ったが、 「仮名手本忠臣蔵」は文学であると同時に、 文楽や歌舞伎といった3次元芸術を前提としたものであり、 また描かれた世界も、徳川と足 […]

「光速者」(埴谷 雄高)

  僕にとって2冊めの埴谷雄高体験。 一応、宇宙に関係のある著作を集めたものらしかったので、 これなら自分にも理解できるかも、、と思ったけど甘かった。 全体的に文章の抽象度が高く、 文学部出身のくせに、こういう香り高い(?)文学とは無縁で過ごしてきた自分には、 ちと理解に及ばない部分が多々ありすぎる。 でも、地球を超え、銀河を超え、 お隣のアンドロメダ銀河と我々の銀河との関係に思いを馳せ […]

「疑惑の科学者たち: 盗用・捏造・不正の歴史」(ジル・アルプティアン)

  真実を追求するという科学の歴史の裏には、 ある意味当然ながら、その真実をねつ造した者たちの歴史もある。 もしくは、真実に到達したものの、 その過程においてフェアではない行為が行われた場合もある。 まだ記憶に新しい事例では、あの小保方晴子。 また、パストゥールのような伝説的な偉人にも、盗用があったとし、 アインシュタインでさえも、現代の基準で判定すれば「アウト」だという。 その他にも科 […]

「感染地図」(スティーヴン・ジョンソン)

  泥と糞尿の臭いに包まれた、19世紀ヴィクトリア朝のロンドン。 ソーホー地区で発生したコレラに立ち向かう、 無口な医師と善良なる牧師。 この本は、疫病という見えない敵に立ち向かう科学の力と、 その背景にある都市や行政の在り方を、 物語風に語った、科学エッセイである。 小説以外の文庫本を読んで、 これほど興奮したのはどれぐらいぶりだろう。 本書のあとがきに掲載されているシアトル・タイムズ […]

「広辞苑先生、語源をさぐる」(新村 出)

  『広辞苑』の編纂者として有名な新村出先生の、語源に関するエッセイ。 エッセイといってもかなり専門性の高い内容も含んでおり、 かといってガチガチに語源だけを取り上げるのでもなく、 文学や周辺の文化など、 著者の広い知識と教養を存分に味わえる内容となっており、 「語源趣味談」という本人にによるネーミングがまさにふさわしい。 個人的に特に興味深かったのは「浪雲」という言葉についてで、 なん […]

「続 狂気の科学」(レトU.シュナイダー)

  副題は「真面目な科学者たちの奇態な実験」。 ・くすぐられると笑うということには、心理的要素が影響しているのか ・洞窟のような暗闇でも体内時計は正しく機能するか ・黒板を爪でこする音はなぜ不快なのか ・・・・・・ といった、題材が変わってはいるが、 「狂気」とまでは言い難い科学実験を紹介した本の続編。 続編なのだが、自分は前作は読んでいない。 紹介された実験の中には、 いまだ結論の出て […]

「ドイツ音楽歳時記―民謡とバッハのカンタータで綴る」(樋口 隆一)

  謝肉祭や復活祭、クリスマスといった、 キリスト教的な記念日・行事が、 ドイツではどのようにとらえられ、 そしてそれがいかなる形で民謡に表現されているか、 さらにはそのエッセンスが、 バッハのカンタータやコラールにどのように取り込まれているのか、を綴った本。 紹介されているほぼすべてが、バッハ、 しかもごく限られたジャンルの声楽作品なので、 タイトルの「ドイツ音楽歳時記」というのはさす […]

「ソラリス」(スタニスワフ・レム)

  タルコフスキーとソダーバーグの映画は観ていたのだけれど、原作は全然違うことを知った。 映画版の方は、人間の内面とか人間関係とか、 精神的な部分に焦点を当てていたように覚えているけれども、 原作は、そのものずばり、生命としての人間は何か、 もっといえば、生命とは何か、 というテーマに切り込んだもので、 であればこそ、系外惑星での生命体とのコンタクトという、 王道SFの形式を採ったのも納 […]

「138億年宇宙の旅」(クリストフ・ガルファール)

  宇宙には、アインシュタインの重力理論が通用しない場面が2つある。 1つは特異点で、もう1つはブラックホール。 この「アインシュタインの穴」に俄然と立ち向かったのが、 故スティーヴン・ホーキング博士だった。 そのホーキングの教え子でもある著者が、 宇宙について現在分かっていることのほぼすべてを、 易しく解説したのが本書である。 相対性理論から始まり、量子論、インフレーション、そしてひも […]

「美術の力 表現の原点を辿る」(宮下 規久朗)

  ありきたりの作品や美術史の解説ではなく、 作品に込められた思いや背景、 そして観る側はそれをどのように受け止めるべきか、 この本を読みながら、 東大の3年目か4年目に受講した、 木下直之先生の美術史の講義を思い出していたのだが、 偶然か必然か、 本書の著者も木下先生にお世話になったという話が載せられており、 もう20年も前になるけれども、 課外授業で浅草寺の絵馬堂を見学した強烈な思い […]

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