開成管弦楽団 第30回文化祭演奏会

開成管弦楽団 第30回文化祭演奏会

久しぶりにOBで集まりましょう、ということになり、
ものすごく久しぶりに行ってきた母校。
※自分は卒業していないのだが、中1~高1まで在籍したので、
「母校」と呼んで差支えないでしょう。

 

開成祭

今でも覚えている中学一年の春、
特に何の部活をするとも決めておらず、フラフラと歩いていたら、
テニスコートの隅から聴こえてきた、モーツァルトの交響曲四十番。

曲はシンフォニーだが、各パート一人ずつ、
総勢十名にも満たないメンバーが、立って演奏していた。

自分はピアノは弾けたのだが、
そのメンバーに加わっても演奏できる楽器はないことは分かっていたものの、
即入部(厳密には、当時はまだ「部」ではなかった)を決めた。

今となっては記憶は薄らいでいるが、
それが別の曲だったら、そこまで惹かれなかったかもしれない。

あのト短調の美しい旋律が、少年の頃の僕の心を捉えたのだ。

入団してすぐに「部」に昇格となり、まずはクラリネットを覚えた。
(正直、腕前はイマイチだった)

中2か中3のときから、指揮者をやるようになり、
それを高2の年までやった。
※僕は高1で高校をドロップアウトしたので、早くもOBとして参加していた。

最後は20人ぐらいにはなっていたのだと思う。

入団のきっかけがモーツァルトの四十番だったから、
最後は四十一番を振りたいと思っていて、それも実現できた。

今から思えば、あの頃は、勉強などは全くせずに、
ひたすら音楽と読書の日々だった気がする。

あの頃がなければ、間違いなく今の自分はないわけだから、
それは思い出と呼ぶ以上の、特別な経験だったと思っている。

なので、今回後輩たちの演奏を聴くというのは、
単に先輩としてというよりも、

自分の一部というか、自分の記憶がそこで演奏しているような、
とても他人事とは思えない、そんな気分だったのである。

ざっと数えても、50~60人はいるだろうか。
当時からは想像できないぐらい、立派になった。

 

開成管弦楽団

フィガロの序曲、モルダウ、に続いて、
メインはブラームスの2番。

テンポは乱れないし、調弦の狂いもない。

ヴァイオリンは美しいし、フルートのソロもかなりの腕前だ。

マズい箇所もないではなかったが、
考えてみれば、彼らはまだ十代の少年なのである。

未だに幼さの残る顔をした彼らが、ブラームスを弾いたということ、
これは決して誰にでもできる経験ではないし、
胸を張って自慢してもいいと思う。

これから厳しい受験勉強が始まることを考えると、
50~60人のうちの、もしかしたら半分ぐらいは、
大学生になったら楽器を弾かなくなるのかもしれない。

それはそれで構わないと思う。

でも人生のどこかの節目で、
ああ自分は十五歳のときに、ブラームスのシンフォニーを弾いたんだっけ、
と思い出して、また音楽心が目を覚ますことがきっとあるに違いない。

(現に自分自身が、大学に入ってクラシック音楽からは遠ざかり、
今は邦楽を嗜んでいる身だけれども、

後輩たちの演奏を聴いて、いまこうしてこの文章を書いて、
もう一度クラシックの世界に戻ってみようかと、本気で考えているのだから。)

もし後輩たちの誰か一人でもこの文章を読んでくれたなら、
最後に伝えたいことは、

勉強も音楽も、どこかで必ず壁にぶつかるだろうけれども、
壁を越えればきっと成長できるし、それが楽しいんだ、ってこと。

乗り越えるには高すぎる壁であれば、ぶち壊して進んでもいいんですよ。

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