お盆の時期は、六本木と雖も人が少ないな・・・、
と安心していたら、違った。
美術館に行列ができている。
えっ・・・と思ったら、行列はオルセー美術館展のもので、
入場まで1時間以上待ちだという。
美術人気も、大したもんです。
さて、そんな行列を尻目に、
ガラ空きの「マン・レイ展」へ。
マン・レイという人は、
一言で言うなれば「好奇心の塊」のような人。
だから彼の作品に接するときは、
こちらも好奇心を以て臨まなければ、失礼にあたる、
なんて思いつつ作品を眺めてみると、
まぁよくもここまで作るなぁ・・というのが正直な印象。
おそらく、思い付いたことは何でも形にしないと、
気が済まないのであろう。
それが優れた作品かどうか、どう評価されるか、
なんてのは”おかまいなし”に違いない。
でもここに、現代アートと接するときの難しさがある。
つまり、作者による限られた周波数帯でしか作品が語りかけて来ないので、
その周波数を拾えるようにこちらの脳をチューニングをするのが、
大変なのだ。
だから今回のように、一度に大量の作品を見るとなると、
もう脳は混線状態。
1週間分ぐらいのカロリーを消費することになる。
でもマン・レイの作品は、デュシャンなどとは違って、
とても素朴に・ストレートに訴えかけてくるものがある。
それが、僕がこの人のことが何となく気にかかる理由なのだろう。