2011年2月

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「ことばと文字の遊園地」(小野 恭靖)

主に江戸時代の「ことば遊び」の紹介。 日本語は漢字と仮名、 そして現代ではアルファベットや絵文字・顔文字までも併用するので、 世界の言語の中では「ことば遊び」のバリエーションに富んでいる方だろう。 5世紀まで文字を持っていなかったコンプレックスが、 そうさせたのかもしれない。 よく「正しい日本語」とか「間違った日本語」とか、 目くじらを立てる人がいるけれども、 言葉なんてものは、時代ごとに変わって […]

ヨルニナッタラ、アソビニオイデ

と書かれたpumaのポスターを、渋谷中で見かける。 これが、 夜になったら遊びにおいで と書かれていたら、 キャッチとしての効果は半減だろう。 漢字があると、(少なくとも日本人には)一目で意味が分かる。 しかし全部が「仮名」で書かれていると、 瞬時には意味が理解できず、 それを「読んで理解する」という行為が発生せざるを得ない。 だからといって、新聞なんかが全部「仮名」で書かれていたら、 読みにくく […]

「マーラーと世紀末ウィーン」(渡辺 裕)

マーラーの曲は、作曲家の特異な(むしろ「病的な」)個性と、 文化史上の特殊な背景との両要素が、 明確な形で内部で脈打っているという点でとても魅力的である。 音楽史上では、絵画史上においてエゴン・シーレがそうであるように、 未だに「異端」扱いされるマーラーではあるが、 それはなぜなのか、如何なる時代背景がそうさせたのか、 というテーマに迫ろうしたのが本書である。 型破りでありながらも、 シンフォニー […]

「吉原徒然草」

「徒然草」って、20代ぐらいまでは全然好きじゃなかった。 あの行間に漂う、独特のリズムというか抑揚というか、 あれがイヤだった。 でもそれが、この「吉原徒然草」のようなパロディになると、 逆に魅力になるということに気付いた。 淡々と語られる、吉原の女とそれに通う男。 粋、通、心構えについて。 江戸時代の文芸はパロディの宝庫だけれども、 「吉原徒然草」はよく出来ている方だと思う。 内容云々はこの際ど […]

宇宙の距離測定について

よく、ある天体までの距離を、 「●●光年」とか「●●パーセク」で表すけれど、 その計測は実は単純ではない。 ほとんどの場合が、 いくつかの計測を組み合わせて(「距離のはしご」)計測することになる。 つまりそれだけ誤差も大きくなるということ。 遠い銀河までの距離については、 最近では赤方偏移による計測が一般的なのだろうか。 その銀河からの光の赤方偏移を調べれば、 その銀河の地球に対しての相対速度が分 […]

二月文楽公演「義経千本桜」

「義経千本桜」をライブで観たのは初めてなんだけれど、 うーん、この作品は見事ですね。 源平の合戦ではなく、その後日譚を舞台にし、 気付けば九朗判官よりも知盛の方へ感情移入してしまう、 ストーリーの巧みさ。 「碇知盛」のクライマックス、 「・・・今際の名残に天皇も、見返り給ふ別れの門出 とどまるこなたは冥途の出船・・・」 なんてフレーズは、七五調に対句を盛り込み、 短いながらも道行風にしているあたり […]

「シュルレアリスム展」(@国立新美術館)

芸術には二つのベクトルがある。「作品」と「行為」と。 例えば、「ホロヴィッツがショパンを弾く」といった場合、 ショパンの「作品」も、ホロヴィッツが弾くという「行為」も、 どちらも鑑賞の対象となり得る芸術であると言える。 それはもちろん、音楽というものが再現芸術であるからであって、 美術、特に絵画の場合は、「行為」が着目されることはまずあり得なかった。 我々は、レオナルドやモネの「作品」を楽しむので […]

「図説 歴史で読み解く!東京の地理」(正井 泰夫)

読んでいて何か懐かしい気分になったんで、 なんだろう・・・と思ったら、 小学校のときの社会の教科書を読んでいるノリだということに気付いた。 そういえば、自分は私立中学だったので、 いわゆる「通常」の教科書を使わない先生も多く、 こういう教科書ちっくな本を読んで妙な懐かしさを感じてしまったんだろう。 ということでこれは、 「江戸」以降の東京の歴史について書かれた教科書。 何もそんなに堅苦しく書かなく […]

本屋はテーマパーク

仕事の合間に時間が出来ると、つい本屋に立ち寄ってしまう。 まずは新刊書コーナーを物色。 ひととおり見渡せば、 いま世の中で注目を浴びているトピックスは、大抵頭に入る。 次は新書コーナー。 新書というのは、ジャンルの分け隔てなく並んでいるので、 興味のあるいろいろな分野の本を一度に、 手軽に探せて、便利だ。 食べ物屋でいうと、ファミレスみたいなもの。 その次は、科学のコーナーへ向かう。 科学書は古典 […]

「古地図とめぐる東京歴史探訪」(荻窪 圭)

古地図、というよりも遺跡や寺社のカラー写真がメイン。 「昔の東京」というと、江戸時代のものがメインとなりがちだが、 この本はどちらかというと、江戸時代以前の東京に注目する。 ただ、江戸時代以前に東京が歴史に登場すること、 はそれほど多くはないので、 当然内容的広がりには限界がある。 それでも、古代の東海道や東京に残る古墳群、 おなじみの将門伝説などなど、興味は尽きない。 疲れた頭でも気軽に楽しめる […]