2011年7月

「地名の謎」(今尾 恵介)

地名の謎、というか日本各地名の由来の説明。 案の定、後半は、 昔の地名は良かったのに今の地名は味気ないという、 ありがちな「昔は良かった」モードに。 別に地名に限らず、昔は良かった、 というステレオタイプは誰が植え付けるものなのだろうか? 地名なんて分かり易ければそれはそれでよいし、 由緒ある地名がもったいないのなら、 ここは昔は何と言う地名でした、という看板でも立てておけばよい。 東京が京都みた […]

カンブリア爆発 ~生物のデザイン~

古代の地球はいろんな意味で不安定だったに違いない。 だからひとつのパラメータをちょこっと調整するだけで、 古代地球の環境、そして生態系はがらっと変わったはずだ。 古生代の最初に、いわゆるカンブリア・モンスター達が登場したのも、 おそらくそんなきっかけがあってのことに違いない。 もしも、我々生物の形を決定する「デザイナー」(=「神」?)がいるのだとすれば、 カンブリア・モンスター達のデザインというの […]

「モーツァルトの台本作者 ロレンツォ・ダ・ポンテの生涯」(田之倉 稔)

果たしてダ・ポンテがモーツァルトのオペラを書いていなかったなら、 彼は後世に名を残せただろうか。 残念ながら答えは「ノー」だろう。 当時の評判はそれほどではなかったみたいだが、 フィガロやドン・ジョヴァンニは、 モーツァルトの音楽全体で見てもかなりの傑作なわけで、 やはりモーツァルトあってのダ・ポンテと言うべきだろう。 そんな彼には失礼かもしれないが、 その生涯については、別段特筆すべきことはない […]

「恋愛美術館」(西岡 文彦)

ピカソ、ドガ、ルノワール、マネ、ルソー、 そしてモディリアーニ。 主に「モンパルナスの画家たち」の生き方と、 それを支えた女性たちの物語。 特にモディリアーニとジャンヌ、ロダンとカミーユの逸話は、 まるでプッチーニのオペラでのようなドラマ性を孕んでいて、 著者の語り口の巧さが、その感動を増幅させてくれる。 ピカソのような自己中心的な性愛もあれば、 モディリアーニのような清貧さの中の恋もある。 絵画 […]

「なんにもない 無の物理学」(フランク・クロース)

原題は、「The Void」。 「void」という語は、虚無を表すのにぴったりな語感だと思うのだが、 それを活かさずに、回りくどい邦題を付けてしまったのは、 ちょっと残念か。 それはさておき、 古代ギリシャから始まった「真空」に対する認識が、 どのように変遷し、そして最新の科学ではどのように理解されているのか・・・ というのがこの本の主旨。 真空を理解するにはエーテルに言及することは避けて通れず、 […]