2011年10月

「ガウディ伝」(田澤 耕)

今さらガウディの伝記なんて・・・ と思われるかもしれないけれども、 この本の素晴らしいところは、 ガウディを語ることでカタルーニャとは何なのか? を同時に語っていることだろう。 19世紀後半から20世紀初頭にかけての、 ピカソとガウディが生きたバルセロナという都市の生臭さと活発さが伝わってくる、 新書にしては十分すぎる内容。 建築を本で語るのには限界がある。 ましてや文字だけならなおさらのこと。 […]

プラハ国立歌劇場 オペラ「トスカ」(10/16@東京文化会館)

娯楽と芸術。 一見正反対のように感じるこれら2つが同居しているのが、 イタリア・オペラである。 ジャコモ・プッチーニの「トスカ」。 これほど世俗臭の強い劇を、 ここまで美しい作品に仕上げられるのは、 神業以外の何物でもない。 特に第3幕。 僕は今までこの幕は退屈で仕方がなかった。 しかし今回Liveで聴いて、それは間違いだと分かった。 幕が開いてからしばらくの、 浄瑠璃でいう道行にも通じるあの緊張 […]

「色彩の教科書」(芳原 信)

色の魅力を知る入門書としては、うってつけの本。 「色」という漢字は、 男女の行為の形から派生した文字だというのを、 どこかで読んだことがある。 それはさておき、色がなければ世界は味気ないだろうし、 (思い込みも含めて)我々が色から得ている情報はかなり多い。 郵便ポストは特に赤でなくても平気な気はするが、 「止まれ」の信号はもはや赤以外は考えられないし、 山手線はやはり緑。 自然も、緑。 ただ緑色自 […]

「世界を知る101冊」(海部 宣男)

優れた科学の本、101冊を紹介する本。 本を紹介する本、という響きには、 木乃伊取りが何とかみたいな感じで、不思議な快感がある。 生命、宇宙、原子、 そしてそれらをすべて含んでいるようにも思える「人間」。 人間自身のことでさえも、 本を読まなくては知り得ないことが多いのにまず驚く。 本ばかりの人生はナンセンスだけれども、 本が無い人生もまた然り。 本を読む欲求を更に増幅してくれる本。

  • 2011.10.06
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映画「世界侵略:ロサンゼルス決戦」

映画館のある街に住むと、 時間を気にせずレイトショーを楽しめるというメリットがある。 仕事で頭の中がグチャグチャになったので、 ここはひとつ大好物のB級宇宙人映画ということで。 数ヶ月前に上映した、 「スカイライン」の続編かと思ったけれども、 全然違くて、ちょっとがっかり。 でも予想通り、 内容が希薄な「アメリカ万歳」の映画でした。 この手の映画って、終盤までは宇宙人が圧倒的な強さを見せるのに、 […]

「江戸の思い出」(岡本 綺堂)

岡本綺堂は1872年の生まれだから、 夏目漱石とほぼ同年である。 漱石や鴎外が、 「文豪」として教科書でも取り上げられるのに対し、 綺堂のような作家が、メジャーになることはまずない。 でも僕は、綺堂が大好きだ。 僕の綺堂熱は「半七」から始まったのだけれども、 小説だけではなく、その随筆もまた、味わい深い。 この「江戸の思い出」に収められた随筆は、 どれも傑作ばかりで、江戸から明治・大正にかけた、 […]