「なぜシロクマは南極にいないのか ― 生命進化と大陸移動説をつなぐ」(デニス・マッカーシー)
そしてなぜ、皇帝ペンギンは北極にいないのか。

これらの質問は一見馬鹿げていて、
答えは明白、祖先がその地に住み着き適応化したから。

でも、ではなぜその地に住み着いたのか、を考えると、
問題はそれほど単純ではなくなる。

とはいえ狭い地球のこと。

どこに何が住んでいようと大した問題ではない気もするが、
生物の分布を調べることで、かつての地球の姿が浮かび上がってくる、
という副産物が生じるのであり、
実はこの副産物こそが、我々の好奇心をかき立ててくれるのだ。

かつての地球の気候や陸地の構成、海流などが分かってくると、
それらのメカニズムを応用して、
今度は未来の地球の姿が予想できるようになる。

北極の氷が溶けていてシロクマが絶滅の危機に瀕している!などと、
他人のことを心配している場合ではない。

生物史上かつて見ないほどの、
驚異的な進化を続けている我々ヒトの未来も、
北極の氷同様それほど盤石ではないことはすぐに分かる。

まさに地球自体が、
過去と未来を語ってくれる巨大な博物館なのである。

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