「地中生命の驚異」(デヴィッド・W・ウォルフ)

遠宇宙のことはある程度分かっているけれど、
自分たちの地球のことは、
実はあまりよく分かっていない。

地球の研究が遅れている最大の原因は、
地殻が硬いことだ。

地殻なんて、その内側に続く、マントルや外核・内核に比べれば、
みかんにおける皮よりも薄っぺらい存在なのだけれども、

なにせ硬いので、いまだ人類はマントルまで到達していない。

地中というのは、そういう地味な(文字通り?)存在なので、
映画でも宇宙人は山ほど登場するが、
地底人が登場する映画などは、ほとんどない。

※5年ぐらい前に、ヒラリー・スワンク主演の「ザ・コア」という、
地底を掘り進む映画があったけど、
あれはレアな内容だし、面白かった。

ただし、地底人は出てきません(笑)。

さて、この本は、そんなSFではなく、
地底に棲む細菌についての、真面目な科学の話。

細菌、いや最近、南極の氷の下で微生物が発見されたと話題になったが、
熱いところや冷たいところ、

ヒトからすれば「極悪な」環境でも、
平気な顔して生きている奴らがいることは、
もはや常識となっている。

それどころか、そんなタフな奴らが、
どうやら我々の祖先である可能性が、
きわめて高いのだ。

そして地中の生物だけではなく、
土壌汚染・土壌破壊についても、
警鐘を鳴らすことを、忘れてはいない。

東京に住んでいると、もはや土に触れることすらなくなったが、
その大切さについて、あらためて考えさせられる。

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