「異端の数ゼロ」(チャールズ・サイフェ)

 

ゼロ以前の数学の話から始まり、
ゼロの起源、微積分におけるゼロとの葛藤、
熱力学など物理学におけるゼロ、
そして、量子力学と相対性理論を結び付けるゼロ、など、

科学史のあらゆる局面に出現した、
概念としての、そして実体としての「ゼロ」の歴史と意義について、
明快にまとめた良書だと思う。

「ゼロ」への収束と、「無限」への拡散とは、
物理・数学的な意味において表裏一体だということが理解できれば、

世の中にはまだまだ未解決な問題が山積されていると、実感できる。

さらにゼロを回避するために、虚数なども登場してくることになると、
もはや科学を超えて哲学の領域になる気もするが、

これからの学問は、ボーダレスな状態で発展をする可能性が高く、
そしてその中心に位置するのが、この「ゼロ(無限)」なのかもしれない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です