動画で配信されていたので、17~8年ぶりぐらいに再度鑑賞してみた。
やっぱり最高の映画ですね。
特異な設定はさることながら、
現在と回想シーンを織り交ぜながらストーリーを語る手法、
中盤の「ピアノ決闘」のシーンのような見せ場もあるし、
そのあとの恋愛的要素も、忘れてはいない。
そしてつまるところは、
船で生まれ、芸とともに生きた男の、
悲しく儚い人生を描いた作品である。
「ピアノ決闘」のシーンでの曲は、ちょっとモノ足りないところもあったが、
恋愛シーンで流れる、この映画の主題ともなっている旋律は、
とにかくすばらしい、の一言。
僕は最近ではほとんど音楽を聴かず、
その代わり、昔聞いた曲を、頭の中で再生して楽しむクセがあるのだけれども、
実はこの旋律は、ここ数年、何度も記憶に甦ってはきたが、
何の曲だか思い出せないでいた。
それが今回、この映画の曲だと分かっただけで、
再鑑賞の意義は十分にあったと言える。
この作品は、意外にもイタリア映画で、
監督は「ニュー・シネマ・パラダイス」の名匠、ジュゼッペ・トルナトーレ。
そして音楽は、こちらも名作曲家、エンニオ・モリコーネ。
これだけの作品が、アカデミー賞にノミネートすらされなかったというのは、
あの賞がいかにインチキかの証しだろう。
そういえば、主演のティム・ロスは、最近めっきり目にしない。
個性的な演技が好きだっただけに、復帰を期待したい。