今日知ったのだけれど、先月28日に、
世界的チェリストだったシュタルケル氏が亡くなったらしい。
享年88歳。
ハンガリー出身のシュタルケルの名演をひとつあげるとすれば、
同じくハンガリーの作曲家、コダーイの「無伴奏チェロソナタ」。
というより、僕は、シュタルケルの演奏以外でこの曲を聴いたことがない。
まさにシュタルケルのためにあるような曲である。
ピアノ以外の楽器による無伴奏曲というのは、意外と少なく、
チェロに関していえば、バッハのとこの曲ぐらいだろう。
コダーイのこの曲は、そういう意味でも貴重な曲。
第1・2楽章はかなり重厚であるが、第3楽章はどちらかといえば軽快で、親しみやすい。
ただ、スコルダトゥーラを使用したかなりの難曲であり、
5分20秒あたりからの、超高音のトレモロを弾きながら、
左手で低音弦を弾く部分なんかは、鳥肌モノ。
また弾き方がカッコいいんだよね。
こういう個性のある演奏家が次々に他界していくのは、
なんとも寂しいかぎりだ。
ご冥福をお祈りしたい。