既にこのブログにも書いたとおり、ウィスキーをストレートで飲むのをやめた。

その代わりにヘンな飲み方をするようになってしまい、
加えて、22時前後に1時間ほど仮眠する習慣がついてしまい、

気付いたら、朝の4時ぐらいまでズルズルと酒を呑んでしまう始末(現在、3時46分)。

とはいっても平日なので、深酔いするわけにもいかず、
だいたい1時ぐらいからほろ酔いを保ちつつ、

特に何するわけでもなく、
本を読んだり、楽器を弾いたりしながら、
つまらないことをあれこれと考えているわけで。

こういう呑み方をし始めると、途端に李白が恋しくなる。
「月下独酌」(Drinking alone with the moon)。

漢詩の細かい字句は忘れたが、
ひとり寂しく飲む自分、そこに月と、月が映す自分の影が加わって、
三人で飲もうよ、というような内容。

李白の詩というのは、シラフのときに読むとふーん、ってカンジなのだけれども、
酔いがちょうどよいポイントに達したときに口ずさむと、
なぜか、すごく懐かしくなる。

酔いすぎてもいけないし、酔いが浅くてもいけない。
三味線のツボのように、ここぞというポイントがある。

大抵は、そんな所はすぐにすっ飛ばして、深酔いの域に潜ってしまうので、
李白先生が、僕の脳裏に登場することはほとんどない。

だけど、今夜はなぜか登場しなすった。

「月下独酌」を意訳してみる。

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花を眺めながら酒を呑んでるんだけどさ、
俺ひとりで、誰もいやしない。

仕方ないので、月に向かって乾杯して、
お月さんと自分の影とを合わせて、
三人で呑むことにするよ。

とはいっても、月に酒の味は分かるめぇ。
俺の影だって、俺に従うだけだし。

まぁでも、ここには俺たち三人しかいないんだから、
しばらくは、この春の夜を満喫しよう。

俺が歌えば、月は廻るし、
俺が舞えば、影も踊る。

酔ってないときは、俺たち三人楽しいし、
酔ったあとは、バラバラになるけど、でも、それぞれが楽しんでる。

月と自分の影という、無情な奴等と親しく交わって、
また遥か宇宙の果てで、出会おうと約束するのさ。
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こんなカンジかな。

窓の外が明るくなってきたし、
さて寝るとしますか。