三味線の奏法において、「何番の勘所」を押さえることが多いのか、
それは果たして長唄、清元などのジャンルによって偏りがあるのか、
ということを調べると、おそらく興味深い結果が得られると思う。
正確な結果はともかく、文化譜でいうところの「3番」の勘所が、
最も使われる勘所のベスト3に入るだろうことは間違いないだろう。
「3番」の勘所は、本調子でいえば、特に一・三の糸では基音から「短三度」の関係にある音であり、
このことが、三味線音楽に一種独特の哀調のようなものを添えている原因になっているのだと思っている。