旨い酒だけでなく、
酒にまつわる人や土地についても語る、
酒好きにとってはたまらない本だろう。
副題に「どう見わけるか」なんて書いてあるから、
How to的なことが書かれているかと思うと、そうでもない。
要は、たくさん飲め、と。
イヤになるまで酒を飲めば、
自ずとウマい酒とマズい酒ぐらいは分かってくる。
もちろん、ウマい・マズいなんてものは、主観そのものなのだから、
人と価値観が同じである必要はないが、
たとえば、醸造アルコールが目立つのはいけないよ、とか、
最低限のルールは書いてあるので、それを参考にするのもよいだろう。
巻末に、著者がオススメする300銘柄が羅列されていて、
飲むのに迷ったら、ここからチョイスするのもアリかもしれない。
ちなみに、これを書きながら飲んでいるのは、「越の誉」(特別純米)。
上品な甘みで、後口がピリッとする。
若干甘い感もあるが、そろそろ燗が恋しくなる季節にはちょうどいいかもしれない。