「悪魔の子供を身ごもる」っていうと、
いかにもホラー映画っぽいし、
実際、この映画はホラージャンルの傑作と言われているわけだけれども、
どちらかというと、心理サスペンスだよね。
そもそも、ホラー映画であるならば、
僕が見るわけがないし(・・;)
夫も、友達も、医者も、結局、他人は誰も信じられない。
信じられるのは、お腹にいる我が子だけ、、という、
生物原理の根幹にある問題が、この映画のテーマだ。
(この映画には、主人公の親が登場しないのがポイント。
親がいないことで、主人公の孤独感が強調されることになる。)
夫や医者を含めた、周りはすべて悪魔で、
自分の産んだのは悪魔の子だった、というのが結末なのであるが、
この映画は、ストーリーをそのままとして捉えるのではなく、
それらはすべて、主人公の精神錯乱だったと解釈するべきなんだと思う。
一種のマタニティブルーといってしまえばそれまでだが、
すべての生物は雌から産まれてくるのであり、
産む側の孤独と、産まれてくる側の孤独
という、生命の本質にあるテーマと、
その孤独が極限まで達したときの、人間の弱さ、脆さを、
悪魔譚の形式を用いて描いているのであろう。
やはりこの映画は、単なるホラーではない。
周到に計算された、サスペンスだと思う。
適正価格:1,800円
[…] 『ローズマリーの赤ちゃん』のような、 ポランスキー監督の悪魔的世界観の作品で、 […]
[…] あの『ローズマリーの赤ちゃん』 をちょっと彷彿させるかも。 […]