思えば今年は、「ジュラシック・パーク」「ミッション・インポッシブル」「007」、
そして「スターウォーズ」の新作が公開されるという、まさに夢のような年。
そしてこの4作の中で一番期待していたのが、この007シリーズ最新作。
「カジノ・ロワイヤル」から始まった、ダニエル・クレイグによる新ボンドのシリーズは、
毎回必ず、過去というか前作以前を引きずるような場面が散見されたわけだけど、
この映画でその謎が解ける。
クレイグ=ボンドの集大成のような内容になっていて、
おそらくこれで彼のボンドも見納めなのでしょう。
そして映画自体も、すこぶる濃い。
冒頭まさかの、前代未聞のヘリコプターアクションから始まり、
そこからサム・スミスの歌うオープニング、という流れは、最高の一言。
2時間半もある超大作だけれど、
このシリーズを観ている人にとっては、飽きる場面がひとつもない。
敢えて苦言を呈せば、あまりにも多くの要素を詰め込もうとしすぎて、
ひとつひとつのシーンがちょっとスムーズに流れすぎたかな・・。
「カジノ・ロワイヤル」のポーカーのシーンだったり、
「慰めの報酬」のオペラ劇場のシーンだったり、
もっと腰を据えてじっくり観られる場面が、欲しかったのだけれど、それは少し贅沢か。
クレイグ=ボンドの象徴的存在であるアストンマーチンもちゃんと登場するし、
お決まりのカーチェイス(こちらはジャガー)も、今回は夜のローマという粋な設定。
いまや大女優となったモニカ・ベルッチをチョイ役に回し、
ボンドガールの座を射止めたのは、フランス人女優レア・セドゥ。
「ミッドナイト・イン・パリ」での演技が印象的で、
前作の「ミッション・イン・ポッシブル」にも出ていたのだけれど、
まさか現代の二大スパイ映画に出るとはね。
総合的にかなりクオリティの高い作品なのだけれど、
初めて観る人にはまったくオススメできないので、
もし観に行くのであれば、前3作の予習は必須でしょう。
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