サン・サーンスの「オルガン付き」は、
いつかLiveで聴いてみたいと思っていたのだけれど、
遂に実現した!!
オーケストラ曲の中で、
オルガンやピアノが使われている例はたくさんあるのだけれども、
大抵が「キワモノ」的な扱いで、
この曲みたいに、控えめで、美しく、
かつ効果的に使われている例は、非常に少ない。
まして、シンフォニーというジャンルであれば、
唯一無二の存在といってもいいだろう。
あらためて聴いてみると、神々しさというか格調の高さが再認識できて、
僕個人としては、ロマン派音楽の名曲中の名曲だと思っている。
特に、第一楽章第二部の、オルガンの奏でるハーモニーの上に、
弦の美しい旋律が絡んでくるアダージョは、
まさに天上の音楽。
普段は、バッハやチャイコフスキーが好きでも、
やはり、サン・サーンスとかフォーレの、
上質な絹織物のような音楽は、必要なんだと痛感した。
ちなみにこの曲は、実はオルガンだけではなく、
ピアノの使い方も秀逸だと思う。
しかも連弾というのが、粋ではないか!
さて、演奏の方であるが、
弦、特に中低音弦の、パワー不足が顕著だったように思う。
例えば、この日の2曲目の、ラヴェルのワルツみたいな曲は、
音量でメリハリを付けられないのなら、
なおさらリズムでメリハリを付けるしかないのだけれど、
それも甘い。
だから、それぞれのパートが勝手に弾いて、
音のごった煮のようになっていた気がした。
もっと強烈なリズム意識でアンサンブルをまとめないと、
この曲は難しいと思う。
シュトラウスのワルツとは違うからね。
逆に、メインのサン・サーンスは、
このオケの弱点が目立たない選曲だったのではないか。
でもブラームスとかチャイコあたりは厳しそうだな、、
というのが正直な印象。
なので、今回「オルガン付き」を聴けたのは、
ある意味ラッキーだった。