「宇宙の統一理論を求めて」(風間 洋一)

 

物理の入門書の多くは、
古典力学から相対性理論、量子論を経て、
現代の最前線の物理学への道筋を辿るという構成が多い。

この本もその例に漏れず、
コペルニクスによる近代科学の幕開けから始まり、
ガリレオ、ケプラーを経てニュートンへ至る、
古典力学の王道について語り、

熱力学、マックスウェルの電磁方程式から
アインシュタインへというお馴染みのルートを辿ったあと、

量子力学へと展開し、素粒子論についてやや詳しく述べて、
最終的な目的地である大統一理論へと行き着く、という流れだ。

ただこの本でいえば、
素粒子について語った部分がアンバランスと思えるぐらいに長く、

逆にインフレーション理論などは、
あとがき程度にちょこっと触れるのみで、
そこが少し期待と違った。

しかもよくあるような、
フレーバー(素粒子)の分類についてはそれほど微に入らず、
対称性やゲージ理論の方へ軸足を置いているので、
専門教育を受けていない僕には、
ちょっとついていけない部分も正直あった。

ただ、物理の流れをあらためて時系列で説明されたおかげで、
自分の知識はどこまでで、どこから先が足りないのかがよく分かった。

まぁなかなか、普段から接していないと、
アップとかボトムとかチャームとか言われても、
思い出すのに時間がかかるんだよね。
記憶力も鈍ってきてるし。。

素粒子と弦理論については、
そろそろしっかり勉強しないといけないと痛感した。