「泰階(太階)」という名の星について調べていたところ、
個人の方のブログに行き着いた。
ありがたいことに、「諸橋大漢和」の説明を引用してくださっている。
「星の名。上・中・下の三階に分れ、
毎階各二星、上階の上星を天子、下星を女主、
中階の上星を諸侯三候、下星を卿大夫、
下階の上星を元士、庶人に象る。
此の星が平かなれば五穀豊饒、天下泰平であるといふ」
六つの星からなる、という点で、
まず思い浮かぶ候補が、プレアデス星団、いわゆる「昴(すばる)」。
この星団を、6つあるいは7つの星とみなした神話は、
世界中に存在していて、
ちなみに我が国の自動車の「スバル」のロゴマークでは、
6つ星が採用されている。
さらに調べたところ、例えば瀬戸内海地方においては、
この星団と農耕とのかかわりを示す言い伝えもあるようで、
「諸橋大漢和」にある「五穀豊穣」にも近い。
ただ、気になる点もある。
「諸橋大漢和」の記述を読む限り、
この6つ星は、2×3の配列をなしているように思われるのだが、
残念ながら「昴」では星は密集していて、
どう見ても、2×3には見えないのだ。
もちろん、この「上・中・下の三階に分れ」という部分を、
見た目として3パートに分かれている、と捉えるのではなく、
6つの星に「グレード」を付けただけ、と理解すれば、
矛盾はないのであるが、
しかしながら、「昴」の6つ(あるいは7つ)の星は、
光度においてそれほど差がなく、
それぞれの星に、「天子」から「庶人」までの階級を割り当てるのは、
自然でないように思うのである。
そこで、「昴」以外の候補を考えてみるに、
次に思いつくのは、オリオン座である。
オリオン座の外枠が6つの星から成ることは明らかで、
しかも、「中階の上星を諸侯三候」というのが、
オリオンの三ツ星を連想させるのである。
さらに、オリオンが「立ち姿」ではなく、「寝姿」で上ってくるときに、
農耕を占う風習があったと、野尻抱影か誰かの書物で読んだことがあり、
その点も、「諸橋大漢和」に合致する。
ただ、泰階=オリオン座説で気になるところは、
オリオン座は6つの星があまりにも離れすぎていて、
それをまとまった「星」と呼ぶのは無理があるということ。
6つまとめて「星」と呼ぶのであれば、
それはまさに「星団」である「昴」がぴったりなのである。
ということで、昴もオリオンも、最終的な決め手に欠き、
今のところ、僕の中での「泰階」の正体としては、
昴 50%
オリオン座 40%
その他 10%
となっている。
「諸橋大漢和」にも多少気になる点があるので、
まずはこれを買わなきゃいけないんだけど、全13巻か・・・。
というか、まだ持ってなかったことに対する、
恥ずかしさもありつつ・・・。
[…] 少し前に書いた、「泰階(太階)」についての記事、 「諸橋大漢和」を手に入れたらもう一度調査し直そう、としていたのだけれど、 […]
[…] 少し前に書いた、「泰階(太階)」についての記事、 「諸橋大漢和」を手に入れたらもう一度調査し直そう、としていたのだけれど、 […]