著者曰く、この本の想定読者は、
「(自分を)コドモと思っていないコドモ」あるいは、
「(自分を)大人と思っていない大人」
ということらしい。
要するに、どっち付かずの中途半端。
「色気の科学」(「男と女」「ホルモン」「血液」など)
「生死の科学」(「死体」「解剖」「寿命」など)
「話題の科学」(「人工現実」「進化」「サリン」など)
「脳内の科学」(「記憶」「睡眠」「表情」など)
という各ジャンルの短いエッセイからなるわけだが、
著者自身が言っているように、
それぞれの文章は明確な出典がある、いわゆる「受け売り」で、
その「受け売り」の知識に著者が何とか面白コメントを付けようとしているのだが、
おそらくその知識が付け刃なせいか、
著者のコメントがイマイチ面白くない。
なんだろう、多少でも科学の知識がある人には物足りないし、
逆に科学の知識がない人には面白くない。
ということは、こんな本、一体誰が読むんだ??
科学分野の話になると、
普段から本当にそのことについて考え、知識を蓄えている人と、
そうではない人との差は歴然である。
残念ながらこの本の著者は後者のようだ。