2月ぐらいから練習し始めた、バッハの「トッカータ ハ短調 BWV911」。
何とか形にはなってきたので、
そろそろ暗譜をしながら細部を詰めることにしよう。
この曲を弾くためにピアノを再開したといっても過言ではないし、
年内には完璧にしたいと思う。
それにしても、バッハならではの調性の微妙な揺らぎをみせながら進行していく、
フーガ部分の美しさは格別である。
とにかく年内はこの曲以外には浮気をしないことに決めたのだが、
まったく飽きないだけの深みがある。
バッハは舞曲も多いが、
こういう型に捉われない自由な曲の方が、真価を発揮するのだと思う。
幻想的な導入部にゆったりとしたアダージョが続き、
そして第1のフーガ。
中間部に短いアダージョを挟んで第2のフーガとなり、
クライマックスに再度アダージョ、
そして最後は怒涛のプレストのスケールで締める、という、
変幻自在な曲想の中に、
きっちりと計算された音たちが散りばめられる。
この先の人生の伴侶としたい一曲である。