第1部では進化論の歴史や、進化とは何かについて語り、
第2部では恐竜と鳥類、車輪のある生物や、
ヒトはなぜ直立二足歩行を始めたかなど、
進化についての代表的なトピックスを考察する、
という構成になっている。
進化学というのは厳密な意味での科学とは呼べないのだが、
逆にそうであるからこそ、
さまざまな憶測や仮説が許容されるため、
とても面白い分野だと僕は思っている。
ただ、今まで進化に関する本を多く読んで思ったことは、
どの本も例外なく、
ダーウィンと彼による「自然選択」について触れてはいるのだが、
どうもその解釈が、読む本ごとに違うのである。
まぁそこが面白いといえばそれまでなのだが、
ただ、「自然選択」とか「ダーウィニズム」とか「ネオダーウィニズム」とかについて、
自分の中で一度きちんと整理したいとは思っていたので、
そういう意味で、この本の第1部はうってつけだった。
第2部の中では、ケラトサイトという細胞が、
まさに「車輪」を使って移動するというのが衝撃だった。
もちろん、ではなぜ大型動物のデザインにおいては、
車輪が採用されなかったのかの理由も明確に示されていて、
あっという間に読み終えてしまった。
トートロジー風のタイトルも、
なかなか気が利いている。